Date: 6月 25th, 2014
Cate: アナログディスク再生
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電子制御という夢(その13)

シュアーのV15 TypeIVの広告の図をみていると、
カートリッジが上下動することでカートリッジの移動距離という間隔も、
ダイナミック・スタビライザー有無によって変化する、とある。

この図をみているとレコードの反りの影響で、正確なトレーシングが阻害されている、となる。
この図をみなくともレコードの反りが悪影響を与えているのはあきらかである。

シュアーの広告によると、レコードの反りは、0.5〜8Hzとなっている。
この周波数はカートリッジとトーンアームの共振周波数と重なる。

シュアーが以前出していたテストレコードには、この共振をテストするために、
4、5、6、8、12Hzという低い信号を音楽信号に重ねてカッティングしてあるトラックがあった。

シュアーの広告には、共振周波数は5〜15Hzとなっている。
つまり反りの周波数とカートリッジとトーンアームの共振周波数が一致すれば、どうなるか。
一致しないまでも近い周波数であればどうなるか。

レコードに反りがあれば、なんらかの対策は必要といえる。
シュアーの解決策がダイナミック・スタビライザーである。

シュアーの広告だけをみていると、いいことだけを書いてある。
広告だからそういうものといえるわけだが、ダイナミック・スタビライザーといえど完璧な対策とはいえない。

おそらくシュアーのことだから、当時発売されていたトーンアームを研究して、
できるだけ広範囲なトーンアームとの組合せを考慮しての、
ダイナミック・スタビライザーの制動を決定しているはずである。

とはいえトーンアームが変り、ヘッドシェルも変れば実効質量もかわり、
ピックアップ全体の慣性質量も変化するわけで、おそらく極端に重いトーンアームとヘッドシェルでは、
V15 TypeIVのダイナミック・スタビライザーの制動範囲をこえてしまう可能性がある。

そうなるとダイナミック・スタビライザーの効果は薄れ、場合によっては役に立たなくなる。

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