試聴ディスク考(その5)
ステレオサウンド 44号と45号で黒田先生が使われた試聴ディスクは次の通り。
ヴェルディ/序曲・前奏曲全集(カラヤン/ベルリンフィルハーモニー)
モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番(ブレンデル、マリナー/アカデミー室内管弦楽団)
シュトラウス/「こうもり」(クライバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団、プライ、ヴァラディ、ポップ他)
珠玉のマドリガル集(キングズ・シンガーズ)
浪漫(タンジェリン・ドリーム)
アフター・ザ・レイン(テリエ・リピダル)
ホテル・カリフォルニア(イーグルス)
ダブル・ベース(ニールス・ペデルセン&サム・ジョーンズ)
タワーリング・トッカータ(ラロ・シフリン、エリック・ゲイル他)
座鬼太鼓座
カラヤンのヴェルディをいちばん長く聴かれている(約4分30秒)、
ほかのレコードは1分強から2分ほどである。
誌面にはB&Kの測定器(Type 2112、Type 2305)による各レコードのレベル記録グラフが掲載されていて、
それぞれのレコードのチェックポイントについての解説も載っている。
ヴェルディの序曲集では仮面舞踏会の前奏曲が試聴曲として使われていて、
まず出だしでは、「ヴァイオリンによるピッチカートが左から鮮明にききとれるか」、
それから「フルートとオーボエのピアニッシモによるフレーズの音色が充分にかわるか」とある。
こんな感じで、各レコードの五つのチェックポイントについて書かれているし、
各レコードについての試聴レコードとして寸評もある。