サイズ考(その6)
省スペースの意味を含めた小型スピーカーとして、私にとって印象ぶかいのは、
ロジャースのLS3/5Aである。
ご存じのようにLS3/5Aは、BBCのライセンスを受ければ、ロジャース以外のメーカーでも製造できる。
スペンドール、KEF、ハーベス、チャートウェルから出ているが、
最初に聴いたLS3/5Aはロジャース製であり、所有していたのも15Ωタイプのロジャース製であるため、
私にとって、LS3/5Aといえば、ロジャースのそれである。
つい最近ロジャースから復刻版のLS3/5aが出た。なぜだが、型番末尾が、
Aではなく小文字のaに変更されている。
もっともオリジナルのLS3/5Aの表記も、ネットではLS3/5aと表記している例が多いが、
所有されている方ならば、リアバッフルの銘板には、LS3/5Aと記してあるのをみてほしい。
こういう表記のいいかげんなところは、ネットの拡大とともに目につくようになった。
LS3/5Aと同じBBCモニターのLS5/1には、Aがつくのとつかないのがある。
LS5/1が当然オリジナルモデルで、当時、LSナンバーはライセンスされていなかったため、
どこそこのメーカー製ということはない。
日本で知られている、そして瀬川先生の愛機だったのは、改良モデルのLS5/1Aであり、
このモデルからKEFで生産されるようになった。
LS5/1とLS5/1Aの違いは、まずウーファーがプレッシャー製からグッドマンのCB129Bに変更され、
エンクロージュアの内部構造も手を加えられているし、
吸音材の材質、入れ方ともに変更されている。また専用アンプも、メーカーが異る。
KEFではその後、専用アンプをハリソン製のトランジスターアンプに変え、
ネットワークをやめバイアンプ駆動しに、
低域のローブーストとともにレンジ拡大をはかった5/1ACを出している。これにはLSはつかない。
LS5/1(A)は、2基搭載しているトゥイーター(セレッションのHF1300)のうち1基は、
3kHz以上での干渉をおさえるためにロールオフさせている関係で、
高域補正した専用アンプか、それ以外のパワーアンプを使用するならば、
正確な高域補正をして聴くのが当然だ。