音を聴くということ(試聴のこと・その3)
今年一月にあるオーディオマニアのお宅に伺う機会があった。
バイアンプ駆動のシステムだった。
何枚かのCDを聴いて、気になるところがあって、
チャネルデヴァイダーのスロープ特性と極性の切り換えをいくつか試してみた。
できれば違うところを調整したかったのだけれど、私のシステムではないから、
スイッチで切り換えられる範囲であれば、元のポジションにすれば元に戻せるので、
この部分だけをいじってみた。
スロープ特性はハイカット、ローカット別個に指定できる。
ウーファーのハイカットを12dB/oct.で、上の帯域のローカットを18dB/oct.ということができる。
スロープ特性は12dB、18dB、24dBがあり、
ウーファーの正相・逆相、上の帯域の正相・逆相がそれぞれ指定できる。
最初はローカット、ハイカットとも12dB/oct.で、正相・正相、
その後に12dB/oct.のままウーファーを逆相、上の帯域を正相、
今度は12dB/oct.のままウーファーを正相、上の帯域を逆相、
さらに12dB/oct.のままでウーファー、上の帯域とも逆相にする。
同じことを18dB/oct.でもやる。
さらにウーファーのスロープ特性を12dB/oct.に、上の帯域のスロープ特性を18dB/oct.にして、
極性の切り替えを4パターン試していく。
今度はウーファーと上の帯域のスロープ特性を入れ替えて、
極性の切り替えをこれまた4パターンやっていく。
これで16通りの音を聴くことになる。
ほんとうは24dB/oct.の音も聴きたかったし、
12dB/oct.と24dB/oct.の組合せ、18dB/oct.と24dB/oct.の組合せも試してみたかったけれど、
あきらかに一緒に聴いていた人たちが退屈しているのがはっきりと感じられて、そこまではやらなかった。