JBL Studio Monitor(4400series・4435のウーファー)
4430のウーファーは2235H、4435のウーファーは2234H(二発)と書いた。
けれどステレオサウンドを注意深く読んできた人の中には、あれっ? と思われる方もいると思う。
ステレオサウンド 61号での紹介記事のページに掲載されている4435のスペックには、
ウーファー:38cm×2(2234H、2235H)、とあるからだ。
マスコントロールリングをもつ2235Hを200Hz以下を再生するサブウーファーとして使っている。
ちなみに235Hのマスコントロールリングの重量は100g。
この仕様の4435は61号で紹介された、いわばサンプルだけのようで、
ステレオサウンド 62号掲載の井上先生による「JBLスタジオモニター研究」には、こう書いてある。
*
4435には、振動系は2235Hと同じだが、マスコントロールリングのない2234Hが2本使用されている。なお、4435の最初に輸入されたサンプル(編注=本誌No.61の新製品欄で紹介したもの)では、低域は2234Hと2235Hの異種ウーファーユニットの組合せであったが、正規のモデルは2234Hが2本に変更されている。
*
なぜJBLが4435の仕様をこれだけ早く変更したのか、その理由ははっきりとしない。
ステレオサウンド別冊「JBL 60th Anniversary」にも、4435のウーファーは2234Hとあるだけで、
サンプルでの2235Hとのスタガー接続についての記述はどこにも書いてない。
菅野先生が61号に書かれた4435の音──、
《一言にしていえば、その音は私がJBLのよさとして感じていた質はそのままに、そして悪さと感じていた要素はきれいに払拭されたといってよいものだった。私自身、JBLのユニットを使った3ウェイ・マルチアンプシステムを、もう10数年使っているが、長年目指していた音の方向と、このJBLの新製品とでは明らかに一致していたのである》
これはあくまでも2234Hと2235Hのスタガー使用の4435の音である。
では市販された4435の片側のウーファーを2235Hに交換すればサンプルと同じになるかといえば、
正規モデルの4435では100Hz以下で2234Hをもう一本加えている形なのに、
サンプルの4435では200Hz以下という違いがあるから、うまくいくかもしれないし、そうではないかもしれない。