音を表現するということ(その3)
ジョン・カルショウが、ショルティとの「ニーベルングの指環」の録音について綴った書籍のタイトルを
“RING RESOUNDING” としているのは、さすがだと思う。
この “RESOUNDING” ということばを、再生側の立場で、解きほぐしていいかえるならば、
“remodeling(リモデリング)”と”rerendering(リレンダリング)” になると考える。
RESOUNDING = remodeling + rerendering というより、
RESOUNDING = remodeling × rerendering という感じが、私の中にはある。
“RESOUNDING”があったからこそ、”remodeling”と”rerendering” を思いついたしだいだ。
ところで、”RING RESOUNDING” の”RING” は、
ワーグナーの「ニーベルングの指環」の指環を指しているわけだが、もうひとつの意味も含まれていると思っている。
“RING” には、〈音が〉鳴り響く、という意味が、ここにはこめられているはずだ。