気づいたこと
ステレオサウンド 127号の「レコード演奏家訪問」の記事中の写真で気がついたことがある。
(ステレオサウンドのバックナンバーは、10冊程度しか手もとになかったけれど、
4月末、坂野さんから譲っていただき、目を通しているところ。127号のその中の1冊。)
長島先生が登場されている回で、マイクロのSX8000IIに、SMEの3012-Rがついていることだ。
SX8000IIを導入されたときに、SMEのSeries Vを取りつけておられた。
カートリッジはオルトフォンのSPU-A。
それがリンのArkivIIになっている。
それに合わせてSeries Vから、3012-Rに、トーンアームも変更されたのだろうか。
3012-Rもいいトーンアームだ。私も使っていた。
でも、Series Vは、トーンアームに関して、これ以上のモノは、その前もその後も登場していない、
あえて言うが、最高のトーンアームである。
長島先生の音楽の聴き方、望む音の方向からして、3012-RよりもSeries Vである。
Series Vが、ステレオサウンドの試聴室に届き、そのときの試聴は長島先生だった。
だからはっきりと憶えている、そのとき鳴ってきた音の素晴らしさ、長島先生の昂奮ぶりは。
なのに3012-Rへの変更。カートリッジが変っても、そのぐらいで、3012-Rにされるとも思えない。
なぜなのか。
REPLY))
いつも興味深く拝読させて頂いております。
127号以前ですが、お手持ちの資料や既に当時から取材等でご存知の事と重複するものも多々あるかと思うのですが・・・
長文ですし、御不要でしたら削除して下さい。
長島氏がシリーズV登場時にこのアームを解説されているステレオサウンド74号(85年春号)では
マイクロのSX8000IIの導入後にアームはSME3012R PRO(メタルナイフエッジ、内部配線が銀線の特別仕様)を
最強だと思って使用していたが、SPUとのマッチングに驚きシリーズVに交換したと述べられています。
(また、この号でAKGのP100LIMITEDというカートリッジについても絶賛されていてシリーズV特集では、このカートリッジが取り付けて撮影されています。)
その8年後のステレオサウンド106号(93年春号)の新連載「究極のアナログ再生をめざして」で長島氏はアームとターンテーブルはそのままですが、下記のような事を述べられています。
・SPU-Aはシェルリード線にハンダ付けしている。
・実はSX8000IIのターンテーブルプラッター部は通常のステンレスではなく、マイクロに特注で作らせた亜鉛合金の鋳物から旋盤加工で作らせた物。
・SPUの昇圧トランスは、外見はフィデリティ・リサーチのFRT-4だが、中身はメーカーに特注でオーダーしたもので、1.5オーム受けで昇圧度は30dbである。
・SMEの真空管フォノイコライザーアンプとプリアンプにして、マランツ7は引退した。
更に3年後の96年に発行された
別冊ステレオサウンド「アナログ レコード リスナーズ バイブル」では
アームがシリーズVから3012R(PROではなく通常の物)に変更され、カートリッジにはSPUマイスター(Gシェル)を使用されています。(マイクロのターンテーブルやSMEのフォノイコライザー&プリアンプ等は特に変更は無いようです。)
また、この時は最後にという事でフォノイコライザーの重要性について述べられて締め括られています。
REPLY))
柴犬さま
コメント、ありがとうございます。
74号の記事は、よくおぼえています。というか、そのころはまだステレオサウンドにいたもので。
106号は未読ですが、SX8000IIのターンテーブルプラッターが亜鉛製であることは、,長島先生からきいていました。
砲金製だとすこし音がきらびやかになりすぎるし、ステンレス製では音が重く死んでしまいがちになるから、
亜鉛製に、無理をいってしてもらったとのことでした。
昇圧トランスのことは62号でも語られています。
実は、私がステレオサウンドにいた最後の頃、
このトランスを超えるものを限定でつくろうという企画(というよりもその前の段階)があったんです。
結局は立ち消えになりましたけど。
もちろんFRに作ってもらおう、ということでした。
「アナログレコードリスナーズバイブル」に、3012-Rにされたことを書かれていることは、知りませんでした。
こんど調べてみます。