程々の音(その20)
瀬川先生がSAEではなくスチューダーにされた第二の理由は、ファンの有無である。
Mark2500には冷却用のファンがついていた。
当時の輸入元であったRFエンタープライゼスでは、
より静かなファンに置き換えていたようだが、それでもファンが廻れば無音というわけにはいかない。
しかも室内楽を大音量で聴く人はまずいない。
室内楽を静謐な、求心的な音で聴く場合、その音量はおのずと決ってくる。
それにA68はMark2500よりも小さい。
Mark2500はW48.3×H17.8×D40.0cm、A68はW48.3×H13.3×D33.5cmである。
だいたいイギリスのスピーカーに、あまり大きなパワーアンプは似合わないし、
組み合わせたいとも思わない。
そんなもろもろのことを考えても、
1980年以前において、コーネッタにA68ほどふさわしいパワーアンプはなかった、と思う。
いまもしコーネッタを鳴らすことがあったら、A68を外すことはない。
そして、もうひとつA68とともにいまでもコーネッタを鳴らしてみたいアンプの筆頭は、
マイケルソン&オースチンのTVA1である。