Date: 10月 23rd, 2013
Cate: 数字
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100という数字(その5)

いまスピーカーシステムは、高性能化している、といわれる。
たしかに周波素特性は低域、高域の両端に伸びているし、
しかもただ伸びているだけでなく、一部のスピーカーシステムでは、
以前では考えられなかったほど平坦な周波数特性も実現している。

なにも周波数特性だけではない。
パルスを使った測定で明らかになる累積スペクトラムでも、
見事としか、他にいいようのないくらいに高性能化しているモノもある。

その意味では、はっきりとスピーカーシステムは、高性能化している──、
私もそう思っているし、そういうことがある。

けれどスピーカーはカートリッジと同様、変換器である。
変換器の性能として語られるのは、周波数特性、歪率……といった項目だけでいいのだろうか。

変換器としての重要な項目は、変換効率なのではないだろうか。

真空管からトランジスターへと移行して、大出力が実現し得やすくなっている。
そのこともあって、スピーカーの変換効率は、他の項目を優先するために犠牲になってきている。

周波数特性と変換効率は、今のところ両立し難い。
変換効率を高くしていけば、周波数特性は狭くなる傾向にある。
周波数特性をワイドレンジにしようとすれば、変換効率を犠牲にすることにつながっていく。

アンプのパワーが、実質的には制限なしに得られる状況では、
スピーカーの変換効率は優先順位として下にきてしまうのは、仕方ないことになってしまう。

だが、スピーカーは、あくまでも変換器であり、
変換器にとって、変換効率の高さはどういうことを指すのだろうか。

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