Date: 2月 4th, 2010
Cate: 使いこなし
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使いこなしのこと(その28)

いま書店に「微差力」というタイトルの本が並んでいる。
手にとっていないから、どんな内容なのかは知らないが、
タイトルの「微差力」はオーディオの使いこなしを、見事に言い表していると思う。

微差力の積み重ねで、音は磨かれていく。
ひとつひとつの差は、まさしく微差にしかすぎないが、それが、オーディオに関しては、
それこそいくつもある。10や100ではきかない。経験を積み、真剣に取り組んでいけばいくほど、
いくつもの微差力を生じるところが見えてくるようになるはずだ。

どれだけの微差力を見出しているのかが、その人のキャリアを表しているともいえる。

ケーブルを交換したり、アクセサリーを購入するのもいい。なにもそのことを否定はしない。
ただ、その前に、何も買わずに変えられるところを、すべて変えてみて、その音の変化を確認してからでも、
ケーブルやアクセサリーの購入は遅くはないはずだ。

たとえばACの極性による音の違いからはじまって、CDプレーヤーであれば、
ライン入力すべての端子に接ぎかえて、その音を確認していく。REC OUTに接続するという手もある。
もっとも’70年代の国産のコントロールアンプの中には、
REC OUTにバッファーアンプをもうけているものもあるので、
そういうアンプでは使えない手だが、使えるものならば試してみてほしい。

使いこなしは、そうやって微差力を鍛えていくしかない、ともいえる。

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