私的イコライザー考(その6)
アナログ式のイコライザーで、グラフィックイコライザーのようなカーブを作り出せないか。
櫛形フィルターを使わずに、しかも6dB/oct.のフィルターによって、ということを考えていた。
そんなとき、スピーカーのレベルコントロールによる
スピーカーシステム全体の周波数特性がどう変化するのを表したグラフを見て思いついた。
2ウェイのネットワークだと、当然だが低域と高域だけの変化である。
3ウェイだと、それに中域が加わり、4ウェイでもせいぜい2.5オクターブの粗さである。
ならば、この3つを加えたらどうなるか。
けっこう複雑なカーブを作り出せそうな気がしてきた。
ラインレベルの入力をまず3系統にわける。
後につながる負荷が小さくないのでバッファーアンプを設けたい。
それぞれのフィルターは、
抵抗とコンデンサーだけで形成した6dB/oct.のチャンネルデバイダーと同じである。
つまり2ウェイ、3ウェイ、4ウェイの、パッシヴのチャンネルデバイダーを用意する。
そしてそれぞれのチャンネルデバイダーに信号を振り分けたのち、
それぞれの信号、つまり2+3+4の7つの信号をミキシングして出力する。
ミキシングの段階で、それぞれのレベルをコントロールする。
この方式のポイントは、それぞれのチャンネルデバイダーのクロスオーバー周波数の設定である。
うまく設定できれば、グラフィックイコライザーには及ばないものの、
かなり自由にイコライジングカーブがつくり出せるのではないだろうか。