Date: 10月 8th, 2008
Cate: イコライザー
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私的イコライザー考(その5)

スピーカーのレベルコントロールを、電気的に細かくいくつもにわけたものが、
グラフィックイコライザーと、乱暴な表現だけど、そう言えるだろう。

スピーカーだと4ウェイでも、低域、中低域、中高域、高域の4つの帯域だから、
ひとつのレベルコントロール当り大ざっぱに言えば2.5オクターブだが、
グラフィックイコライザーは、1オクターブに満たない、
1/3オクターブという狭い帯域でコントロールできる。

そのために櫛形フィルターを使う。

非常に狭い帯域でピーク・ディップをコントロールする際、櫛形フィルターは有効だ。
だが一般的と思われる使い方、
たとえば500Hzを中心にゆるやかにもちあげて、3kHzあたりをやや下げて、
その上の帯域をゆるやかに上昇させるという帯域バランスを得たいとき、
グラフィックイコライザーのツマミを、そういうカーブに配置する。
なるほどグラフィックである。

だが、櫛形フィルターを採用していることを思い出してほしい。
微視的に見れば、櫛の歯の長短を変えて、そういうカーブを作り出しているわけだ。
櫛の歯同士の間はどうなっている?

アメリカの技術書に、単発サイン波を、グラフィックイコライザーを通すと、
どう変化するかが載っている。

だからグラフィックイコライザーは使用すべきではない、と言いたいわけではない。
どんなモノにもメリット・デメリットがあるということだ。

そして、これはアナログ技術のグラフィックイコライザーについててである。
デジタル式が、どういうふうにカーブ通りのイコライジングを行なっているのか、
じつのところ調べていないが、アナログ式とはそうとうに異っているはずだろう。

個人的には、デジタル技術の導入によって、デメリットの面が薄れ、
グラフィックイコライザーの本領発揮の時代がきたと考えている。

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