私にとってアナログディスク再生とは(シェルリード線のこと・その2)
はじめてシェルリード線を交換した時につかっていたカートリッジは、
エラック(エレクトロアコースティック)のSTS455Eだった。
ヘッドシェルはオーディオテクニカ製だった。
おそらくMG10だったはず。
MG10は当時2200円。
シェルリード線は、当時もっともよく見かけていたタイプがついていた。
細めのケーブルで、赤緑白青の四色に色分けされていた。
これが、いわば標準だった。
これを、アントレーのSR48に交換した。
MM型カートリッジは、MC型カートリッジよりもコイルの巻数が多い。
発電コイルの直流抵抗は500Ω、インダクタンスは500mHあたりが標準だといわれていた。
国産のカートリッジの中には、ローインピーダンスを謳っていなくとも、
直流抵抗がその半分程度のものがいくつかあったし、インダクタンスも低めのものがあった。
反対に海外製の中には、直流抵抗が1kΩをこえるタイプもあった。
エラックのSTS455Eがどのくらいの直流抵抗とインダクタンスだったのかは知らないけれど、
大ざっぱにいえば海外製のMM型カートリッジは直流抵抗、インダクタンスともにやや高め傾向にある。
STS455Eもそのタイプだと仮定すれば、発電コイルに使われている銅線の長さはかなり長くなる。
トーンアームのパイプの中を通っているケーブルもシェルリード線よりも長い。
しかもコイルとパイプ内のケーブルはかなり細い。
トーンアームからアンプまでは、またケーブルが存在する。
こうやって考えると、カートリッジのコイルからアンプの入力端子までに、
四種のケーブルが最低でも存在する。
シェルリード線は、その中で、もっとも短い。
そんなシェルリード線なのに、交換すれば音は確実に変る。