Date: 8月 3rd, 2013
Cate: 音の良さ
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音の良さとは(好みの音、嫌いな音・その1)

以前の仕事場の同僚が、バイクで交通事故を起した。
単独事故で、被害者はいなくて、彼だけが怪我を負った。
たいへんな怪我だったときいている。
家族が呼ばれたほどだ、と。

いま彼はぴんぴんしている。
元気である。
事故から二年後ぐらいにたまたま会う機会があった。
近くの中華店に入った。
どこにでもある町の中華屋さんといった感じであって、
彼はチャーハンを頼んでいた。

チャーハンにはグリーンピースが入っていた。
事故以前の彼ならば、グリーンピースをレンゲでひとつひとつ取り除いていた。
とにかくグリーンピースが大嫌いだ、と彼はいっていたのに、
その日、彼はおいしそうにグリーンピースもご飯、ほかの具材とともに口に運んでいる。

グリーンピース、嫌いじゃなかったっけ? ときいた。
彼の返事は「そうだっけ?」だった。

私の記憶違いではなく、そのとき他の同僚も一緒で、
みんな「えっ?」という顔をしていた。
彼のグリーンピース嫌いは、そのくらい徹底したものだったから。

そのグリーンピースをおいしそうに食べている。
彼は事故の時、頭を強く打ち意識を失っていた。
本人も言っていたけれど、少し記憶がとんでいる、とのこと。

ということは事故後グリーンピースをおいしそうに食べているということは、
食べ物の好き嫌いは、記憶に強く影響されている、ともいえるわけだ。
記憶だけ、とはいえないのかもしれないが、それにしても彼のグリーンピースへの反応の違いは、
音の好みについても、考えさせられることであった。

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