Date: 7月 28th, 2013
Cate: チューナー・デザイン
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チューナー・デザイン考(パイオニア Exclusive F3・その7)

これまで自分でつかってきたアンプやスピーカーの数からしたら、
チューナーの数はほんのわずかでしかない。

高校生の時のトリオの普及型、それからマッキントッシュのMR71。
このあとはずっとチューナー不在の時期が続く。
もう30年近くになる。

Exclusive F3は私にとって三台目のチューナーである。

ステレオサウンドで働いていたとはいえチューナーと接する機会は、
他のオーディオ機器とくらべると圧倒的に少なかった。
これも数えるほどしかない。
友人、知人のリスニングルームでチューナーを見かけたのも、ほとんどない。

ここでチューナーについて書いているけれど、
これから先チューナーとのつきあいが急激に変化を迎えるとは思えない。

アキュフェーズのT104とExclusive F3を並べてみたい、とおもっていても、
なんとかして実現しよう、という情熱はあまりない、というのが正直なところ。

誰かがT104を持っているのであれば、
Exclusive F3を抱えてそこまで出向き、並べて置いてみたい、
そこまではする気はあってもだ。

おそらくT104の音を聴くことはないと思っている。
これまでも聴く機会はなかった。
だからT104の音については、ステレオサウンドに載った文章から判断・推測するしかない。

49号の新製品紹介で井上先生が、
59号のベストバイの中で瀬川先生が書かれているくらいである。

井上先生は「受信チェック時の音質も今回試聴したチューナーのなかでトップランクである。」と、
瀬川先生は「最近の同社の製品に共通の美しい滑らかな音質が魅力だ。」と書かれている。

おそらくT104の音は、Exclusive F3と同系統の音なのだと思えてくる。
43号に瀬川先生がExclusive F3について書かれていることが、そのままT104にもいえるのかもしれない。
「繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音」、
だからこそ、よけいにT104が瀬川先生のチューナーのデザインに対する答でもあるし、
Exclusive F3のデザインへの要望でもあるとおもえてくるのである。

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