チューナー・デザイン考(パイオニア Exclusive F3・その5)
瀬川先生が、パイオニアのExclusive F3の音が気に入られていることは、
ステレオサウンドを読んできた者としてわかっていた。
アキュフェーズのコントロールアンプ、C240が瀬川先生のデザインだときいたとき、
パワーアンプのP400もチューナーのT104も、そうなのだと思っていた。
でもこのふたつのことが私のなかで結びつくことはなかったまま、いままで来てしまった。
岩崎先生が使われていたExclusive F3が私のところに来て一週間。
こうやって毎日ブログを書いているとき、視線を少し上に向けると、
1mちょっと先に置いているExclusive F3が目に入る。
毎日しげしげと見ているわけではないが、
ふと次のフレーズを考えているとき、指が止ってしまったとき、
Macのディスプレイから目をそらしたときに見ているのは、この一週間は、Exclusive F3だった。
瀬川先生は、Exclusive F3のデザインのどこが不満だったのか、をおもっていた。
Exclusive F3だけ1975年の発売で、Exclusive C3、M4などは1974年である。
開発が始まったのは同時期なのかもしれない。
Exclusive F3だけが完成が遅れた、と考えることもできる。
とにかく発売時期の違いは、デザイナーの違いにもなったのかもしれない。
とはいえ同じExclusiveシリーズとして、
パイオニアとしてはデザインでの統一感を出そうとはしなかったのだろうか。
その結果がExclusive F3のデザインなのだろうか。
こんなことばかり思って、Exclusive F3を眺めていたわけではない。
ウッドケースの艶がなくなっているから、手入れをしなければ……。
どうやって手入れしよう……とか、まだパネルのあそこをクリーニングしなければ……、
そんなことも思っている。
そして、できればExclusive F3の横にアキュフェーズのT104を置いて、
しばらく眺めてみたいな、とも思っている。