Date: 6月 6th, 2013
Cate: 黄金の組合せ
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黄金の組合せ(その6)

ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」から六ヵ月後、
ステレオサウンド 43号のベストバイの記事の中で、瀬川先生はQUAD・405について
「発売後数階にわたって回路が変更されているようで、音のニュアンスもわずかに違うし、
プリノのイズを拡大する傾向のある製品もあるようなので、選択に注意したい。」
とことわりを書かれている。

これが1977年の夏のことである。
さらに約一年がすぎ、また別冊が出た。
「世界のコントロールアンプとパワーアンプ」である。
ここで、AGI・511について、瀬川先生による試聴記は次の通りである。
     *
入力信号に対する反応の速さあるいは音の明瞭度(ディテール)の高さを当初から謳い文句にしていただけあって、いかにも現代のソリッドステートの最尖端の技術はかくあるべしというような、引締ったクールな音を聴かせる。ことにEMTのプレーヤーから入力をAUX(イコライザーアンプを通さずに)直接加えたときの、素晴らしく品位の高い、緻密でしかも音のひと粒ひと粒が生き生きと躍動するのがみえるような音質は、ちょっと類のないほど素晴らしかった。しかしフォノ・イコライザーからのトータルの音になると、ひと幕引いたようでどこか反応の遅い感じの、よく言えばおっとり型の音質で私にはおもしろくない。以前のサンプルよりもこの点がちょっぴり不満に感じた。
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QUAD・405だけでなく、AGI・511も初期のモデルからすると変更されていることがわかる。
そうなると、「コンポーネントステレオの世界 ’77」で511と405の組合せが聴かせていた魅力的な音は、
いくらか、それともずいぶんなのかもしれないが、変っていることになる。

511の音が変っていることは井上先生も指摘されている。
     *
 初期のソリッドでタイトな音にくらべると、かなり音の粒子が細やかで、表情がナチュラルで、洗練された滑らかな音を持つようになった。聴感上での周波数レンジは、かなりワイドレンジ型で、バランス的には中域がやや薄く、音色は明るく滑らかなタイプである。
 ステレオフォニックな音場感は、左右方向・前後方向のパースペクティブともに充分に広がり、スッキリとした広い空間の再現性がある。音像はかなり小さくまとまり、輪郭は細くシャープである。音像はスピーカー間のやや奥に定位をする。表情はナチュラルで活き活きとし、オーケストラのトゥッティでの音の分離は素晴らしい。
     *
フォノイコライザーの音に関しては、瀬川先生は以前の511のほうを高く評価されている。
井上先生は、この点正反対で以前の511も評価されているけれど、
今回の511の改良についても高い評価を与えられている。

私は、この時点では511の音も405の音も、まだ聴いていなかった。

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