使いこなしのこと(その19)
いざマイクロのRX5000+RY5500に取り付けてみると、そんなに悪くないことに気づく。
砲金製のターンテーブルは金色、ベースは黒。武骨で素っ気無い雰囲気が、
3012-R Specialの品格を引き立ててくれる感じもする。
信頼できる、とまでいかなくても信用できる音の入口を確保できたという手ごたえはあった。
これがハタチの時である。無理はしていたが、これでロジャースのPM510を鳴らすスタートに立てた。
この時の組合せは、コントロールアンプはJBLのSG520、パワーアンプはEL34プッシュプルのオルソン型。
惚れ込んでいたスピーカーだから、ハタチの若造だったけれど、ここまでのシステムを揃えることができたし、
ここまで揃えるまではPM510を鳴らそうとは思わなかった。
ずっと手に入れたかったスピーカーを、苦労して自分のものにした時、とにもかくにも音を出してみたい、
早くその音を聴きたい、という強い衝動をあえて抑えて、
少なくともその惚れ込んだスピーカーにふさわしい環境を用意できるまでは鳴らさないということが、
スピーカーと良好な関係を作ってくれることになることもある。
あきらかにそのスピーカーの水準に遠く及ばないアンプやプレーヤーを接いで、
最初の出てきた音に失望するくらいなら、私はがまんする、がまんできる。