Date: 3月 29th, 2013
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(その38)

HIGH-TECHNIC SERIESにも長島先生が書かれているように、
出力電圧と負荷インピーダンスはカタログに発表されているわけだから、
それぞれのカートリッジの出力電力を計算して、
どのくらいの電磁変換効率持っているのかを、知っておくのは、
カートリッジの特性を見ていく場合、比較していく場合に必要なことでもある。

スタントン、ピカリングによるローインピーダンスのMM型カートリッジの出力電力はどのくらいになるのか。
0.3mVはシュアー V15/IIIの出力電圧の約1/10以下、
負荷インピーダンスは100Ωだから47kΩよりもずっと小さな値。
出力電圧の二乗を負荷インピーダンスで割ってみると、0.9nWとなる。
V15/IIIの約3.4倍となる。

SPUの41.66nWにはまだまだ及ばないものの、
一般的なMM型カートリッジよりも高い電磁変換効率ということになる。

ならば、これだけでも通常の47kΩ負荷のMM型カートリッジよりも、
ローインピーダンスのMM型カートリッジは技術的にも有利になるかとなると、微妙なところがある。

出力電圧ではなく出力電力の高さをいかすには、
一般的なヘッドアンプやハイゲインのフォノイコライザーでは技術的に無理といえる。

ヘッドアンプ、ハイゲインのフォノイコライザーを使っているかぎり、
優位となるのは出力電圧の高さであり、
出力電力の高さをいかすには昇圧トランスか、
入力抵抗を省いた反転型のヘッドアンプ(つまりI/V変換アンプ)ということになる。

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