Archive for 10月, 2023

Date: 10月 10th, 2023
Cate: ワイドレンジ

JBL 2405の力量(その1へのコメントへの返信)

四日前に(その1)へのコメントがあった。

七年前、四谷三丁目の喫茶茶会記で行っていたaudio wednesdayでのスピーカーに関しての質問だ。
この時は、アルテックのドライバーが不調ということで、私のJBLの2441と2397を持参した。
トゥイーターは、デザイナーの坂野さんから2405を借りての3ウェイ構成である。

ウーファーはアルテックの416-8Cで、これら三つのユニットのなかでは一番出力音圧レベルが低い。
コメント(質問)には、
《2441と416のレベル調整は何か入っているように思いますが》とあるが、
この時、2441へはアッテネーターの類は使用していない。

ではどうしたかというと、これも別項で簡単に触れているように、
マークレビンソンのLNP2の3バンドのトーンコントロールを使って、
なんとかバランスをとっている。

なので完璧なバランスというわけではないけれど、破綻をきたしているバランスではなかった。
バランス重視であれば、アッテネーターを作り、細かく調整していくのだけれど、
この時は時間の余裕もなかったし、2441の実力をストレートに発揮したかったということもあって、
あえてアッテネーターは使わなかった。

こういう方法をすすめることはしない。
コメントにもあるように、マルチアンプのほうが簡単である。

Date: 10月 10th, 2023
Cate: ディスク/ブック

アンジェラ・ヒューイットのモーツァルト

アンジェラ・ヒューイットの名前は知っていた。
グレン・グールドと同じトロント出身のピアニストとして知っていた。

ずっと以前に、もうおぼろげだけどCDを買って聴いている。
バッハのピアノ協奏曲だったはずだ。

聴いていることは確かだけど、それきりだった。
悪いとは思わなかったけれど、印象に残るということもなかった。

アンジェラ・ヒューイットは、ハイペリオンに移籍している。
ハイペリオンは、別項で書いたように最近MQAでの配信を開始している。

アンジェラ・ヒューイットの最新録音、
モーツァルトのピアノ・ソナタも、MQAでTIDALで聴ける。

今回聴いたのは二枚目のほう。
MQAだから、ハイペリオンだから聴いてみよう、
そんな軽い気持からだったけれど、
最初に鳴ってきた音を聴いた時から、
内田光子のモーツァルトのピアノ・ソナタを聴いた時のことを思い出していた。

今回聴いたアンジェラ・ヒューイットのアルバムと曲目が重なる。
フィリップスからの内田光子のデビュー盤を聴いた時の情景が浮んできそうだった。

それから四十年ほど経ってのアンジェラ・ヒューイットのモーツァルト。
この演奏が最高とまではいわないけれど、
聴いていて、実に気持いい。

演奏も音も素晴らしい。
気持ちのよいピアノの音がしている。

Date: 10月 10th, 2023
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その29)

先週土曜日の夜、ある人とオーディオの話をしていた。
絶縁トランスの話題になった。

そこでCR方法について話した。
すると、その人(Tさん)はCR方法について知っていた。
そして、あれは効きますね、と。

ここにも知っている人がいる。
でも、どうやって知ったのだろうか。

Tさんは友人のAさんのために、絶縁トランスを作っている。
市販の絶縁トランスを購入し、それらをケースに収めCR方法をやったものだけど、
Aさんに、一年ほど前に、CR方法について説明して手書きのメモを渡していた。

Tさんは、そのメモを見て試してみたところ、非常に良かったそうだ。

こういう話を聞くとうれしくなる。
直接ではないけれど、間接的にCR方法のやり方が伝わって、
とにかく試して、その音を聴く人がいるということ、
そして、その効果を認める人がいるということ。

そのことが嬉しかったりする。

Date: 10月 6th, 2023
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その11)

アンカーのPowerHouse 90は、ある人に貸し出している。

バッテリー電源というと、こんな先入観を持っている人も少なくないと思う。
S/N比はよくなっても、線の細い音になってしまう──、
つまり音の力感に欠けてしまう──、
そんなふうに思われがちではないだろうか。

バッテリー電源といっても、さまざまな種類と容量があって、
その使い方によっても、音は変化してくるのだから、
一概はそうとはいえないまでも、なんとなくそういう印象がついてまわってもいる。

今回、貸し出した人もそう思っていたそうだ。
ところが、そんな予想とは異なり、鳴りっぷりも不満なかった、とのことだった。

そうだろう、と私は思っている。
バッテリー電源といっても、直接DC電源を供給しているのではなく、
AC110V、60Hzに変換しての供給である。

ここで注意したいのは、正弦波であるかどうかである。
この手の製品は、アンカー以外にも各社から出ている。

PowerHouse 90よりも安価で容量の大きな製品もあるが、
それは果たして正弦波出力だろうか。

疑似正弦波出力のものもけっこうある。
アンカーは純正弦波出力を謳っている。

実際に、その波形を見て確認したわけではないが、
音を聴く感じでは、正弦波だと信じている。

私は、(その9)で書いているように、
メリディアンの218用に使っている。

210用にもう一台購入しようか、とも考えている。
210は218よりも消費電力が大きい。
218の5Wに対して15Wである。

このくらいならば、十分使えるはず。
30W前後の消費電力の製品でもいけるような気はしている。

マランツのModel 7の消費電力は、確か35Wである。
Model 7の電源をPowerHouse 90からとれば、
アメリカと同じ60Hzになるし、110Vだから昇圧トランスも不要になる。

Date: 10月 6th, 2023
Cate: ディスク/ブック

el Tango de Astor Piazzolla

“el Tango de Astor Piazzolla”。
ミルヴァのアルバムだ。

TIDALでは以前から配信されていた。
ただしFLACだった。
昨晩、MQAになっていないかなぁ、とかすかな期待をもって検索してみたら、
なんとMQAになっていた。

他のミルヴァのアルバムも、いくつかMQAになっている。
オルネラ・ヴァノーニは? と思って、
こちらも見ると、以前よりもMQAのタイトルが増えていた。

まだまだMQAになってほしい(MQAで聴きたい)アルバムはある。
それでもミルヴァの“el Tango de Astor Piazzolla”がMQAで聴けるようになったのは、
そうとうに嬉しい。

ミルヴァの歌の、なんとなまなましいこと。
歌を聴くということは、こういうことだ、と断言したくなる。

Date: 10月 5th, 2023
Cate: 会うこと・話すこと

会って話すと云うこと(その33)

昨晩(10月4日)のaudio wednesdayは、初めての方が二人参加された。
お一人は岡山県から来られた。

喫茶茶会記があったころは音出しもできたけれど、
昨年から再開してのaudio wednesdayは、特定の場所での開催ではなく、
小人数で、どこかに集まって、音楽、オーディオなどについて話すだけである。

そんな集まりでも参加したい、という方がおられる。
昨晩は、私を含めて四人。
三時間半ほど、ずっと話していた。

実に楽しかった。
オーディオをながいこと続けてきたからこその楽しさでもある。

そのことを実感するとともに、
これからのオーディオという世界の行く末は──、
そのことについておもうところは共通しているとも感じていた。

Date: 10月 5th, 2023
Cate: audio wednesday

第十二回audio wednesday (next decade)

第十二回audio wednesday (next decade)は、11月1日。

参加する人は少ないだろうから、詳細はfacebookで。
開始時間、場所等は参加人数によって決める予定。

facebookをやられていない方は、私宛てにメールをください。

Date: 10月 3rd, 2023
Cate: 音楽性

「音楽性」とは(映画性というだろうか・その15)

映画「シン・仮面ライダー」が、春に公開になった。
公開されてすぐに観に行った。

そしてPrime Videoでも公開終了後、数ヵ月で公開になった。

映画館の大きなスクリーンで観て、微妙な印象を持った。
それでもPrime Videoで公開されてすぐに見た。

ホームシアターを趣味としていないから、iPadの小さな画面で見た。

私がいちばん微妙に感じたのは、クライマックスといえるシーンだ。
仮面ライダー0号との対決シーンなのだが、
ここが映画館で観ていると、なんとももたついてお遊戯のようにも感じてしまった。

iPadだと、そうは感じなかった。
意外にいいかも、そんなふうにも感じたりした。

もし三回目、大スクリーンで観たとしたら、最初の印象のように、
なんだよー、となるであろう。

「シン・仮面ライダー」は映画なのだろうか。
そんなふうにも考えている。

「シン・仮面ライダー」の監督、
庵野秀明氏による「キューティハニー」の実写映画も映画館で観ている。

そのことを思い出したのは、やはり同じように、映画なのだろうか、と思ってしまったからだ。

Date: 10月 3rd, 2023
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その9)

e-onkyoを買収したQobuz(運営はXandrie)。
2021年9月の発表から、いつ日本でQobuz(コバズ)のサービスが開始になるのか。

なかなかはっきりとした発表はなかったのだが、
すでにQobuzの海外アカウント作って利用している人のところには、
10月から日本でサービスを開始する、というメールが届いているとのこと。

e-onkyoのサイトでも、Qobuzの日本語サイトでも正式な発表はまだなのだが、
おそらく今月中に始まるのであろう。

ということはTIDALもそろそろか、と期待している。
TIDALは2014年にサービスを開始している。

ようやく日本上陸となるのか。

QobuzとTIDAL、どちらとも始まってほしい。

Date: 10月 3rd, 2023
Cate: 老い

老いとオーディオ(とステレオサウンド・その22)

ステレオサウンド 228号は、
発売日のほぼ一週間後には、Kindle Unlimitedで読めるようになっていた。

モノクロページの新製品紹介の記事が、レイアウトを変更している。
見出しの扱いが、大きく変った。
おそらく本文の文字数を増やしたいのかもしれない。

にしても、思ってしまう。
見出しの存在感が稀薄になってしまっている。

横書きの見出しもあれば縦書きの見出しもあるし、文字数も違う。
どうでもいい存在になりつつある。

見出しは、ほんとうに必要なのか。
私は、一度、本文中の中見出しをすべて省いた記事を作ったことがある。

雑誌の記事から、見出しはなくならない、と思っている。

ステレオサウンドもなくそうとしているのではないはずだ。
けれど見出しの扱いが、特集と新製品紹介の記事とでは大きく違っている。
ちぐはぐさも感じる。

こういうところにも、老いがあらわれはじめている──、
とするのはこじつけだろうか。

Date: 10月 3rd, 2023
Cate: オーディオ評論

音の轍(その2)

音は発せられた次の瞬間には消えていく。
けれどスピーカーから発せられた音は、どこかへと向っていく。

音の方向性といえるものがあってのオーディオの音であり、
方向性があるからこそ音の轍ができるはずだ。