アナログプレーヤーの設置・調整(その19)
ステレオサウンド 63号には、オーディオクラフト・ニュース No.5が掲載されている。
そこにこう書いてある。
*
このような問題点も、カートリッジのものに起因するもともと偏差の大きいカートリッジでない限り、意外と単純な取り扱い上のミスによるものが少なくありません。
その何点かを列記すると
①ヘッドシェルの水平度、またはカートリッジの取り付けが不備である場合。
②レコード面の水平度が不十分である場合。
③レコードプレーヤーそのものの水平度が出ていない場合。
レコード再生時のトラブルはこのような要因が圧倒的に多く、水平度のくるいから生ずるカートリッジの誤動作、とりわけクロストークバランスに影響してくる誤動作は、高域の不快な歪感をつきまとわせる結果となります。
(中略)
一般的に、レコードプレーヤーキャビネットの水平チェックはするが、レコード面の水平度はチェックしにくいことも手伝って、確認されていないケースが多いように思われます。弊社のようにワンポイント方式のトーンアームを作っていると、ユーザーの方から〝どうしてもラテラルがとれない〟といった苦情をいただくケースが多いのですが、実際に調べてみると反ったレコードをターンテーブルを止めたまま調整していることが良くあります。ターンテーブルが回転していれば、反ったレコードですとカートリッジが上下にゆれますから気付くのですが、調整確認のためターンテーブルが止まっている場合が意外に多いのです。
*
ステレオサウンド 63号は1982年6月に出ている。
CDはまだ登場していなかった。
このころでさえ、こういう状況だったことがわかる。