Archive for 7月, 2009

Date: 7月 2nd, 2009
Cate: the Reviewの入力

the Review (in the past) を入力していて……(その4)

たとえばAGI(Audio General, Inc.)は、そのデビュー作、511で高い評価を得ている。
これは音質面ばかりでなく、コントロールアンプにおけるハイスピード設計の概念を確立したことも、
大きく関係しているだろう。

AGIの511のスペックには、ライズタイム、スルーレイト、タイムディレイという、
他のアンプでは見かけたことのない項目、それも時間、速度に関係するものが並んでいた。

とうぜん511とペアになるパワーアンプの登場がまたれたが、開発中という話は伝わってきたものの、
具体的にどんな構成なのか、どの程度の規模のものなのか、といった情報はなく、
ついに登場することもなかった(バイアス回路の特許はアメリカで取得していたらしい)。

511がBタイプに改良されたのが最後で、同社はオーディオ機器の開発から手を引く。

余談だが、511にはブラックパネルがあった。
いわゆる並行輸入品だ。

私が最初に耳にした511は、じつは、このブラックパネルであり、
瀬川先生が熊本のオーディオ店にこられた時に、である。

なぜ、あえて並行輸入品の音を鳴らされたのか。
並行輸入品だ、とことわられたうえでの、音出しだった。

Date: 7月 1st, 2009
Cate: 岩崎千明

岩崎千明氏のこと(その18)

ハーツフィールドをどう鳴らされていたのか、ほんとうのところはもうはっきりとしないことだろう。
それにしても、なんと岩崎先生のエネルギッシュなことだろう。

カートリッジの試聴テスト(ステレオサウンド 39号)は、1976年。
ハーツフィールドやパトリシアンIVを購入された年でもある。

この情熱と行動力は、そのまま見倣いたい、と思っているが、とおく及ばない

井上先生が、岩崎先生への追悼文に、「プロ意識そのもの」と表現されている。
まさしくその通りなのだが、なぜ、ここまでも、とも思う。

このことは、大音量で聴かれていたことと、なんとなくではあるが、結びついているのではないか、
そう思えるようになってきた。