Archive for category 提言

Date: 11月 14th, 2008
Cate: 提言

いま、そしてこれから語るべきこと(その4)

機能性・性能性・効能性を語ることは、
オーディオそのものについてだけでなく、個々のオーディオ機器に関しても、そうしていきたい。

新しく登場したオーディオ機器が、どういう音を聴かせてくれるか、
もちろんそれがいちばん知りたいことであるが、やはりそれは性能性について語っているだけであり、
その機械のもつ特質を語るには、機能性についてもきちんと語っていく必要があると思う。

Date: 11月 9th, 2008
Cate: 提言

いま、そしてこれから語るべきこと(その3)

グレン・グールドが語っている。
     *
地理的ギャップというものもある。東へ行くほど、レコードは録音によるコンサート効果をねらっていることがわかる。もちろんさらに遠く日本にでも行けば、西欧化されたコンサート・ホールの伝統による禁忌などはとりたててないから、レコーディングはレコーディング独特の音楽経験として理解されている
     *
グールドは日本に来たことはないはずなのに、
なぜ、日本でのレコードの聴かれ方について、こう認識しているのだろうか。
少なくとも、この言葉は、レコードをコンサート代用品とか、
カンヅメ音楽といって軽視している人たちのことではなく、
オーディオにつよい関心をもっている人たち、
菅野先生が提唱される、レコード演奏家そのものであろう、というより、であると断言していいだろう。

「日本のオーディオはアメリカのハイエンドに比べると10年くらい遅れている」
という発言をしている人を、ときおりネットでみかけると、かなしくなる。

グールドの全CDやDVDが手に入り、多くの関連書籍が読めるその日本から、
グレン・グールド的リスナー(インタラクティブで創造的な聴き手)が出てきても不思議ではないのに、
と思っているからだ。

グールド的リスナーからの視点による、オーディオの機能性を語れれば……と思う。
1993年に「ぼくはグレン・グールド的リスナーになりたい」という拙文を書いた。

Date: 11月 9th, 2008
Cate: 川崎和男, 提言

いま、そしてこれから語るべきこと(その2)

2002年夏、TEPCO銀座館プラスマイナスギャラリーで開催された
「ヒューマン・センター・デザインの視展(ユニバーサルデザインを超えて)」の会場で、
設置されていたモニターでは、デザインの「機能性、性能性、効能性」について、川崎先生が語られていた。

オーディオの「機能性、性能性、効能性」──。
オーディオマニアが音について語るのも、
オーディオ雑誌が、オーディオ機器の評価をするのも、
オーディオの「性能性」のところであろう。
音がどんなふうによいのか、どれだけよいのか、という性能性についてである。

80年代からオーディオは斜陽産業と言われてきた。
なぜそうなったのかは、いろんなことが絡みあってのことだろうが、
そのひとつの理由が、オーディオに関心のある人たち、プロもアマチュアも、
オーディオの性能性ばかりについて語ってきたためだと思う。

オーディオ好きな人に対しては、それで十分だろうが、
音楽が好きだけど、オーディオにはさほど、もしくはまったく関心のない人たちに対して、
オーディオの性能性ばかりを伝えても、大半のひとは振り向いてくれない、と思っていい。

いい音を聴くためだけに、少なくとも数十万円、できれば百万円以上、
さらに上には一千万円以上必要なんて、と思われてしまってもむべなる哉。

エジソンが蝋管によるアコースティック蓄音器を発明したのをオーディオの始点としても、
オーディオの機能性は発展は多岐にわたり、素晴らしいものだと思う。

蝋管が円盤になり、複製が容易になり、取り扱いも楽になったことも、機能性に関することである。
そして蓄音器がアコースティック式から電気式になり、音量の調整が可能になり、モノーラルからステレオになり、
低音、高音だけの増減だけのトーンコントロールから、
パラメトリックイコライザー、グラフィックイコライザーなども登場し、
デジタル技術が、さらなる機能性をもたらしている。

オーディオの機能性の魅力を把握してこそ、
個人個人のオーディオの世界は広がりを増すだろうし、
これまで、音楽は好きだけど、なぜかオーディオに関心をもってくれなかった人たちに、
オーディオの機能性を、正しく伝えること、説明することは重要なことである。

Date: 11月 9th, 2008
Cate: 提言

いま、そしてこれから語るべきこと(その1)

金曜の夜、「瀬川冬樹氏のこと」その17と18を公開して、
ほぼ1時間後に傅さんから電話をいただいた。

「読んでいたら、ほろっとくるものがあって、それを伝えたくて」ということだった。
つづけて、「ぼくらが大事にしてきたことは、こういうことなんだよなぁ」とも言われた。
約1時間、あれこれ、オーディオについて話していた。

いまインターネットの普及で、誰でも簡単にいつでも、言いたいことを発信できる。
そこにプロとアマチュアの境界線はなくなりつつある、曖昧になりつつある。
本とは異り、編集者不在の発言。そして匿名でも発言できる。

そして、その発言への評価はアクセス数によって決っていく、とも言えよう。
時価総額で企業を判断するのに似ているような気もする。

傅さんとの話が終った後、
いまの時代、ひとりのオーディオマニアとして語るべきことは、なんだろうと考えてしまった。

言葉を尽くして語っていくことだけは、忘れてはならない。

Date: 9月 22nd, 2008
Cate: 提言

いま、オーディオファイルとして語るべきこと

いま、オーディオファイルとして語るべきこと──
これだけはつねに忘れず、書いていこうと思っている。