Archive for category audio wednesday

Date: 10月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 2025

今年1月から始まった狛江でのaudio wednesdayは、
来年も継続してやることになった。

来年、ぜひやりたいことがある。
シーメンスのオイロダインで、
クナッパーツブッシュの「パルジファル」を、
最初から最後まで、ほぼ四時間かけることだ。

もちろんMQAで鳴らす。

Date: 10月 10th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その4)

結線を終えて鳴ってきた音は、前回のチェック時の音とは、
当然のことながらずいぶん違っていた。

とはいってもチェック時に少し鳴らしただけで、
それ以前は、かなり久しいこと鳴らしていなかっただけに、
気にならないところがないわけでもなかった。

だからといってスピーカーそのものは置き場所をかえたり、
振りを調整したりはできない。

それにそんな細かな調整をせずに、
鳴ってくる音をそのまま受けとめたいという気持もあった。

とにかくしばらく鳴らして、その後にネットワークの高域のレベルを一段上げ、
マランツのModel 7のトーンコントロールで高域を一段下げる。
片方は上げて、もう一方では下げるのであれば、
どちらもフラットでもいいのでは? と思われるかもしれないが、
実際あれこれやってみると、このポジションが良かった。
とはいえ、アンプがかわり、さらに鳴らし込んでいくと、
この辺はまた変ってくるだろうが、
今回は今回である。

10月は陽が落ちるのが早い。
音が落ち着いたところで、いくつかのアルバムを聴いているうちに、
周りは暗くなっていた。

この部屋からは庭が見える。
暗くなっていくなかで聴くフルニエのバッハの無伴奏のチェロ組曲は良かった。

MQAで聴いていた。

Date: 10月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その2)

あの時代、JBLの4343はスターだった。
スーパースターといってもいい。

こんなことを書くと、あんなスピーカーが、という人がいる。
あの時代の空気を知らなければ、そんなことも言いたくなるだろう。

あの時代を経てきた人でも、同じことをいう人がいるのも知っている。

それはそれでいい。
そういう人たちを説得しようなんて、まったく思っていない。

映画俳優でも歌手でも、スーパースターと呼ばれていた人たちが、
すべての人からそう思われていたわけではないし、
アンチの人たちもいた。

むしろアンチがいることが、それだけ注目されていたことになるし、
アンチがまったくいないスターは、たぶんいないはず。

とにかく4343は、カッコよかった。

1976年に登場した4343は、
1974年に登場した4341の後継器である。

4343は4341よりも、ずっとカッコよかった。
もし4343が4341と同じデザインのままだったら、
あれほどの人気は獲得できなかっただろう。

そして4343には、瀬川先生の存在もあった。

Date: 10月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その3)

ラックスのMQ60は不調になったものの、
タンノイのユニットが生きていることは確認できた。
ネットワークも万全とはいえないまでも、使える状態にはある。

チェックで鳴らしたのはここまでで、当日。
アンプは真空管にするつもりだった。

今回の意図は、ラジオが高級品、贅沢品だったころ、
そんな時代を、少しでも味わいたい──である。

かなり贅沢な真空管ラジオの再現。
だからソースは、ストリーミングだけに絞る。

ラインナップは自然と決まってくる。
パワーアンプは、マッキントッシュのMC275、
それから今回はステレオ音源をモノーラルにするために、
コントロールアンプを使う。

ステレオをモノーラルにするだけなら簡単な加算回路を作れば、
コントロールアンプは不要となるが、
トーンコントロールも使うだろうと考えて、マランツのModel 7。

ストリーマーとD/Aコンバーターは、
メリディアンの210と218の組合せも考えはしたが、
あえてiPhone 14 ProとLotooのPAW S1。

ChordのMojoも用意して会の前に試聴もしたが、
TIDALでまだMQAが聴けるということもあって、前者を選択。

Date: 10月 5th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その2)

野口晴哉氏は、このタンノイのモノーラルのシステムを、
どういう組合せで鳴らされていたんだろうか。

高めの床の間のようになっているところには、扉がある。
ここを開けると、おそらくだが、野口晴哉氏が使われていたであろうシュアーの箱がある。
あとレコード・クリーナーもある。

シュアーのカートリッジは、この部屋だけでなく、
リスニングルームにも、何個かある。

野口晴哉氏が使われていたオーディオ機器は、大半が保管されている。
まだ全てを把握しているわけではないが、
デュアルの1219が、このタンノイがある部屋では使われたいなのでないのか。
カートリッジはシュアーで、だ。

ここに関しては自信があるが、まったくわからないのが、
アンプに関してだ。

野口晴哉氏のリスニングルームは、いくつかのオーディオ雑誌に紹介されているが、
この部屋については、私が知っている限りではない。

一枚でも写真があれば、ずいぶん助かるのだが、
今のところ手がかりはない。

先月、リスニングルームからアンプを運んできて、二回目のチェックを行った。
コントロールアンプはラックスのCL36uとマッキントッシュのC22。
パワーアンプは、ラックスのMQ60。

元々はCL35のはずなのに、
野口晴哉氏が亡くなられたあとに登場したCL36uがある。

C22とMQ60で鳴らした音は柔らかく甘く、
井上先生が言われていたように、日本での真空管アンプの音のイメージは、
ラックスのSQ38シリーズによって作られていった、
このことを証明するかのような音だった。

MQ60はSQ38シリーズのパワー部を独立させたモノ。

ただし、この時の音はMQ60が不調になり、十分ほどしか聴けなかった。

Date: 10月 4th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その1)

10月2日の会は、予想していた以上に楽しかった。

鳴らしたスピーカーは、タンノイのMonitor Redの15インチ口径。
このユニットが、部屋のコーナーの天井に下向けに取り付けてある。
ただし天井裏をバックキャビティとするのではなく、
天井よりも1mほどの位置にあり、そこがバックキャビティとなっている。

スピーカーの対面となる床も、その部分だけ高めの床の間のようになっている。

そして、その間には拡散用の角錐状の木がある。
コーナーに木で作られた裾広がりの急斜面がある感じともいえる。

ここに反射した音を主に聴くことになる。

このタンノイも、かなり長いこと鳴らされてなかった。
昨年だったか、最初のチェックの時には鳴らなかった。
アンプは、中国製と思われるD級アンプが接続されていたが、
これが故障しているようだった。

野口晴哉氏が、このタンノイをどんなシステムで鳴らされていたのか、
まったく手がかりがない。

中国製アンプは、野口晴哉氏が亡くなられた後に用意されたモノ。

別項でも書いているように、野口晴哉氏のシステムは、氏が亡くなられたあと、
何人かの人によって手が加えられている。

このシステムもそうで、アンプだけでなくネットワークも、
Monitor Redのモノではなく、
1980年ごろに登場したSuper Red Monitorのそれになっていた。

Date: 10月 3rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その1)

瀬川先生が亡くなられたのは、1981年11月7日。
次回のaudio wednesdayは、43回目の命日の前日。

単なる偶然だとしても、43である。
どうしてもJBLの4343を鳴らしたい。

なんとか鳴らせそうな目処がたった。
アンプはまだ決まっていないが、D/Aコンバーターは決まっている。
メリディアンのUltra DACだ。

Date: 10月 2nd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade ) – 第十夜と第十一夜

11月6日のaudio wednesdayは、すでに予告しているように、
瀬川先生の命日の前日ということも含めて、
JBLの4343を鳴らす予定で進めている。

12月4日の会は、今日(10月2日)に予定していたテーマをやる。
現代音楽をBOSEの901 Series Vで聴くわけだが、それにプラスひとつ面白いことを考えている。
うまくいくかどうかはなんともいえないが、
私自身はかなり楽しみにしている。

なんとか一年続けられる。

Date: 10月 1st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio session(いよいよ明日)

明日(10月2日)は、audio wednesday だが、
今回は趣旨を少し変えての会となる。
部屋もいつものところではなく手前の和室で、
この天井に取り付けられているタンノイの15インチ・同軸型ユニットを鳴らす。

なのでモノーラル再生となる。
アンプはマッキントッシュのMC275を使う。
コントロールアンプはマランツのModel 7。

今回のシステムはできるだけ小型、そしてミニマルにしたいので、
コントロールアンプなしも考えたが、ステレオ音源をモノーラルにするためもあって使うことにした。

とはいえ、今回の会は軽い感じで進めていくし、
歌を中心していく。
音源はTIDALとApple Musicと、ストリーミングのみ。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として1000円いただく。
大学生以下は無料。

Date: 9月 25th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio session(追補)

10月2日のaudio wednesdayは、
すでにお伝えしているように、radio sessionということで、
これまでと趣向を少しばかり変えての会となる。

本来行う予定だったテーマで使うBOSEの901 Series Vだが、
今日持ち込んでいる。
なので10月2日でも、最後の方でちょっとだけ鳴らそうと考えている。

部屋によってスピーカーの音は大きく左右されるのを、
実際に体験してもらおうという意図である。

使用器材がまったく同じわけではないし、
日を改めて、部屋をかえて鳴らすわけなので、
厳密な比較試聴にはならないが、部屋の影響ははっきりと感じられるはずだ。

Date: 9月 23rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜

すでに告知しているように、
11月の会ではJBLの4343を鳴らす予定でいる。

アンプはどうするか。
瀬川先生の命日の前日に鳴らすのだから、
マークレビンソンのLNP2、ML2が用意できればいいけれど、
それは無理そうである。

まだ、どのアンプで鳴らすのかは決めていない。
用意できなければ意味はない。

仮にマークレビンソンのアンプが用意できたとしても、
瀬川先生が鳴らされていたであろう音を再現したいわけではない。

瀬川先生に聴いてもらいたい音を鳴らしたい、とおもっている。

Date: 9月 21st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio session

10月2日のaudio wednesdayは、
現代音楽をBOSEの901 Series Vで聴く予定だったが、
クーラーの故障のため、部屋をいつも使っているところではなく、
隣の和室に変更になった。

来られたことのある方ならば、休憩の時に使っている部屋だ。
三方の壁が襖のこの部屋で、901がうまく鳴ってくれるとは思えない。
第九夜は中止ではなく、クーラーを必要としなくなったころ、
10月中旬以降に延期になる。

10月2日は、だから隣室の天井に取り付けられているタンノイを鳴らす。
天井から床に向けてあるが、単にそのままなわけではなく、
間接的な放射になるよう工夫されている。

タンノイは、15インチのMonitor Red(のはず)で、モノーラル。
この他にジョーダン・ワッツのJumbo(こちらも一本だけ)も用意できる。

動作確認はまだだが、問題なければアンペックスの可搬型モニターもある。これも一本のみ。

これらのスピーカーを鳴らすわけだが、テーマとしては、
真空管時代のラジオを聴く感覚で、
現代のラジオといえるストリーミングで音楽を聴く、だ。

TIDALとApple Musicを音源として使い、
システムとしてもできれば小さくまとめたいので、
iPhoneを使うつもりでいる。

歌を中心とした選曲で、雑談を交えながらの感じの夜としたい。

今回はそういうことなので、参加費は1,000円となる。

Date: 9月 18th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series Vと現代音楽)

七年前、別項でステレオサウンド 48号掲載の901の広告について書いた。
この頃(1970年代後半)のBOSEの広告には、901を導入した演奏家が登場していた。
48号の広告には、山田一雄氏が登場されている。

キャッチコピーは、こうだ。
     *
背中で聴いたBOSE
この小さな箱がホールの広さを表現するとは…《山田一雄》
     *
山田一雄氏のリビングルーム(と思われる)に置かれた901と、
ロッキングチェアに坐っている山田一雄氏の写真が、カラー見開きで大きく扱われている。

この写真の下に、こうあった。
     *
元来、私はあまりレコードを聴かない。つまり「鑑賞する立場の人」とは反対の立場に立っているからかも知れない。音楽を創る立場の身にとっては、雑念なしに他人の音楽に没頭して聴くことは難事であるからだ。
家族が新しいオーディオ装置を欲しがっていることもあって、友人のレコーディング・ディレクターのすすめで《BOSE-901》を手に入れる。そんな私だから、正直なところオーディオとやらのシカケには恥かしいほど無頓着で、無理解だとよく叱られている。
ともあれ、女房子供のおつき合いのつもりで聴いたところが、鳴り出した瞬間から大袈裟にいって「新しい発見」と「開眼」をする。
さて、指揮者というものは客席に背を向けているくせに、常に背中で音を聴いているものだ。つまり、その広さと音のまわり具合いを身体で感じながら演奏している。演奏が巧くいっているときには、音が張り出すというのだろうか、ステージ上の音よりもむしろ客席の方で暖く鳴っているのを私は感じる。
《BOSE-901》での私の「新しい発見」とは、私の家のサロンで、音が背中にまわり込む外国のコンサート・ホールでの、アノえもいえぬ味を味わえたことである。この設計者はよほどの感性をもって音楽を聴き込んでいるのであろう。音楽が生まれる場所の状況を極めて正確にわきまえている。
それにこのスピーカーは、「音出し機械」然としていないところが良い。小型にもかかわらず、生演奏なみのヴォリュームを上げても、ガナリ立てる感じにならない点も大変気に入っている。
これからは、もう少しレコードを聴くとしようか……。
     *
《音楽の生まれる場所》とある。
《音楽が生まれる場所の状況」とある。

そんな901だから、現代音楽を聴いてみたいわけだ。

Date: 9月 17th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series V+1)

BOSEは、今年で創立60年。
だから今回901を鳴らすわけではなく、たまたまでしかない。
しかもBOSEの創立が1964年ということを知ったのは昨晩だった。

60年なのか──、と思い出すのは、井上先生と901のことである。

ステレオサウンド別冊「コンポーネントの世界」での発展的組合せで、
井上先生はベースとなるスピーカーに901を選ばれている。
最終的には、901を四段スタックして、サブウーファーとスーパートゥイーターを追加するという、
かなりすごいし、井上先生以外でこんな組合せをつくる人はいない──、
そう言いきれるほど、この組合せのインパクトは強かった。

聴いてみたかった組合せだし、井上先生に、
その音について訊ねてもいる。

このこともあるから、901は私にとって忘れられない存在となっている。

10月のaudio wednesdayでは、1ペアしか901は用意できないから、スタックは無理。
けれどトゥイーターは用意できる、というか、すでに用意している。

井上先生はピラミッドのリボン型のT1を使われた。
私が今回使うのは、エラックのリボン型。
うまくいくと思っている。

901はいうまでもなく、ユニット配置が独自のものだから、
水平方向が無指向性のエラックの方が向いていよう。

Date: 9月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series V)

10月2日のaudio wednesdayのテーマは、現代音楽。
すでに書いているように選曲は、会の常連のHさんに任せきっている。

私は現代音楽をテーマに決めたときから、
BOSEの901を鳴らしてみたい、
901で聴いてみたいし、901でどんな感じになってくれるのか、
そして会に来られる方は、901をどんなふうに受けとめられるのか、
そんなことを考えていた。

901のアテはあった。
今日、その方のところに行って、スピーカーユニットのエッジの状態を確認してきた。

今回鳴らす901は、Series V。
製造されてから二十年は経っていよう。
ウレタンエッジだから、ボロボロになっていてもおかしくない年月だが、
901が置かれている部屋は、スタインウェイのピアノ、クレデンザがあり、
湿度が管理されていることが、エッジのコンディションを保っていたようだ。

オーディオマニアの中には、901なんて……と腐す人もいる。
そういう人は、きちんと鳴らされた901の音を聴いていないのだろう。

私は、ステレオサウンドにいた頃、井上先生が鳴らす901の音を何度か聴いている。
記事にはならなかったけど、マッキントッシュのMC275でも鳴らしている。

あの時の音をもう一度聴きたい。
そうおもってきたから、今回は901である。
もちろんMC275でも鳴らす。