Archive for category audio wednesday

Date: 9月 8th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第八夜を終えて(その2)

野口晴哉氏は、使ってきたオーディオ機器は手放されなかったようだ。
これもあるのか、と思わず口に出してしまうほど、驚くモノがあるだけでなく、
おそらくストックなのだろうが、同じモノがいくつもあったりする。

まだ全てを確認しているわけではないが、
今回757Aレプリカの裏板を開けてウーファーを見て思ったことは、
アルテックがない──、そのことだ。

JBLもある、タンノイもある、その他にいくつものスピーカーがある。
けれどアルテックは、ない。

757Aレプリカのドライバーだけを見ていた時は、
ウーファーもたぶんJBLなんだろうな、と思った。
今回、ウェスターン・エレクトリックの754Aだったことを確認して、ドライバーはアルテックじゃないんだ、とまず思った。

JBLのドライバーの理由は、ホーンからくるものだろう。
757A(オリジナル)のホーンに近いモノとなると、
やはりJBLの2397になる。

ホーンが決まると、ドライバーもほぼ自動的に選択肢が絞られる。
だからアルテックの入る隙はないのはわかる。

けれど他のシステム、ユニットが何一つない。
アルテックを、野口晴哉氏は、
どう受け止められていたのか、捉えられていたのか。

考えても、その理由が判明するわけではないが、
考えないのもつまらない。

考えていれば、いつか納得いく答のようなものに出合えるかもしれない。

Date: 9月 5th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第八夜を終えて(その1)

昨晩のaudio wednesdayのことで真っ先に書いておきたいのは、
757Aレプリカのウーファーについてだ。

ホーンは一目見て、オーディオマニアならば、
JBLの2397だとすぐにわかる。
ドライバーが2420だということは、エンクロージュアの裏に回ればすぐにわかる。

2397に2420を取り付けるには、スロートアダプターが二つ必要で、
その分奥行きがけっこう長くなり、
エンクロージュアから突き出る格好だからだ。

上の帯域がJBLならば、下の帯域もJBLだろうと誰もが思う。
私も最初はJBL proのユニット、
つまり12インチ口径のウーファーかフルレンジ。
2420と同時代とすれば、2202の可能性が高い、と、
音を聴くまでは、そんな予想を立てていた。

757Aレプリカは5月と8月にじっくり聴いている。
聴いた印象からは、どうもウーファーユニットではなさそうな気がしてくる。

確認の意味をもって菅野先生録音の“THE DIALOGUE”をかけると、
その印象はますます強くなる。
となるとJBLの12インチのフルレンジなのか。

それでもなんとなく違う気がする。
どのユニットなのか、気になるのならエンクロージュアの中を覗いてみればすぐにわかるが、
そのためにはまず2420を外すところから始めなければならない。

2420とエンクロージュア裏板との隙間はあまりなく、
2420を取り外す、つまりボルトを緩めて外すことはそれほど面倒ではないが、
取り付けるとなると、意外に大変なことはこの手の作業をやってきた人ならば、
すぐに予想できるし、裏板を止めている木ねじの本数もまあまあ多い。

昨日、やっと確認した。
裏板を外して見えてきたのは、
ウェスターン・エレクトリックの754Aだった。

Date: 9月 4th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜

10月2日のaudio wednesdayのテーマは、現代音楽。
現代音楽の定義をどう捉えるのかによって、
選曲は人によってかなり違ってくることだろう。

選曲は、以前書いているように常連のHさんにお願いしている。
私が考えているのは、スピーカーのことだ。

どういうスピーカーで聴いても現代音楽は現代音楽であって、何が変るわけでない──、
そう言い切れるだろうか。

現代の最先端のスピーカーで聴くから、現代音楽の素晴らしさが増すことがあるのか。
そうは思えないし、最先端のスピーカーを用意できるわけでもない。

ならばこれまで鳴らしてきたスピーカーの中から選べばいいのだが、
一つだけ個人的な興味で、このスピーカーで現代音楽を聴いてみたい、というのがある。
それほど大きくもないし、高価なスピーカーでもない。
持っている人が周りにいる。

借りることができたら、そのスピーカーになる。

Date: 9月 3rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第八夜(いよいよ明日)

8月の会に続いて明日(9月4日)も、757Aレプリカを鳴らす。
前回よりももう少しだけセッティングをつめていく過程を聴いてもらう。

同時に今回は、トゥイーターを追加して3ウェイの音も聴いてもらう。
つまり何かが足される音を聴いてもらう。
足されることによって何が得られるのか──だけでなく、
足されることによって何かがスポイルされる面もある。

2ウェイのスピーカーシステムは二次方程式、
3ウェイになると三次方程式、
4ウェイだと四次方程式、
そんなふうに最適解を求めるのが難しくもなる。

757Aレプリカのウーファーに使われているユニットをまだ確認していないが、
使用ユニット次第では、フルレンジだけの音も鳴らすつもりでいる。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

18時から音は鳴らしているけれど、
19時までの一時間は、質問、雑談の時間でもある。

音を鳴らし始めると、話す時間がほとんどなくなる。
とにかく聴いてもらいたいし、曲を途中で止めるのもできればやりたくないため、
曲の紹介を短めでやるくらいになってしまっている。

なので18時から19時までは、話のほうに少しはウェイトをおきたい。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2500円いただく(ワンドリンク付き)。
大学生以下は無料。

Date: 8月 24th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜を終えて(その4)

おそらくだが、元のネットワークとJimlansing/AMPEXのN800は、
同じ回路で、コンデンサーやコイルの値もほぼ同じと思われる。

つまり使用部品が違い、配置と配線も違い、
ケーシングされているどうかの違いもある。

実際の音の変化の大きさは、人によって受け止め方は違ってこよう。
大きく変ったと感じる人もいれば、さほどでもない、という人がいてもおかしくない。

ネットワークによる音の変化は、
自作スピーカーに取り組んでこなければ、聴く機会はそうはない。

今回のネットワークによる音の違いについては細かくは書かない。
一つだけ書いておくと、
元のネットワークでは、JBLの2420の上にトゥイーターがどうしても欲しい、
そう感じるのが、N800にすると、このままの2ウェイでもいいかな、
そんなふうに感じながら聴いていた。

Date: 8月 20th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜を終えて(その3)

757Aレプリカのネットワークに使われているフィルムコンデンサーは、
円筒状を押しつぶした形状のモノで、私には、このコンデンサーがどうしてもいい音に寄与するとは、
最初に見た時から思えなかった。

そんな思い込みがあっても音出しであり、ネットワークの交換でもある。
これで、元のネットワークの方が良かった、となれば、
私の思い込み、偏見ということになるが、結果はそうではなかった。

元のネットワークでなんとなく気になっていたところが、かなり改善された、と私の耳には聴こえた。

試しに交換した時に一緒に聴いていた数人も、
Jimlansing/AMPEXのN800の方がいい、という評価。
会が始まって、もう一度、元のネットワークに戻し、
N800に換えた音でも、ほぼ全ての人がN800だった。

なんというか元のネットワークでは、
JBLのユニットをうまく鳴らせなかった時の音像の薄っぺらさが感じられた。
それに個々のユニットが伸び伸びと鳴っていないようにも感じていた。

決して大きな不満ではなかったけれど、聴いていると、
ネットワークが視界に入るたびに、これを交換したら──、
そんな思いが5月の会からしていた。

Date: 8月 10th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜を終えて(その2)

8月7日のaudio wednesdayで試してみたかったことがあった。
クロスオーバーネットワークの交換である。

757Aレプリカには12dBスロープのネットワークがついている。
コイルはウェスターン・エレクトリック風で、ウーファー用にはオイルコンデンサー、
トゥイーター用にはフィルムコンデンサーが使われている。

このネットワークを見た時から、作り替えたいと考えていた。
5月の会では、このネットワークを使って鳴らしたわけだが、
JBLの2420をトゥイーターとした2ウェイでは、
かける曲によっては、どうしても専用のトゥイーターが欲しくなる。

私の手元に、一つネットワークがある。
六年ほど預かっているモノで、JBLのN800である。

といっても正確にはJimlansing/AMPEXのN800で、
かなりの大型のつくりで、重量もけっこうある。

このN800も少なくとも十年程度は鳴らされていなかった。
古い上にそうなのだから、期待半分というところ。
それでも16Ω仕様だし、すでにあるネットワークの交換(比較)用としては、
試してみる価値はあるはず、と思っていた。

音が出ないということはないはず──、
そうは思っていても、やはり事前にチェックしておきたい。
当日、会が始まる少し前に試しに交換してみた。

これが、なかなかいい感じで鳴ってくれた。

Date: 8月 9th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜を終えて(その1)

8月7日のaudio wednesdayで行ったことは、
ステレオサウンド 76号に掲載されている井上先生の使いこなしの記事、
「読者参加による人気実力派スピーカーの使いこなしテスト」を再現したものといっていい。

76号は1985年秋発売の号だから、三十九年前になる。
なので、8月のaudio wednesdayでやったことに、
最新の使いこなしといえる面はほぼない。

なんだ、その程度のことか、と思われるかもしれないが、
その、なんだ、その程度のことは、意外にきちんとできてなかったりする。

基本中の基本といえることを、きちんとやっていく。
特別なオーディオ・アクセサリーの類いは使っていない。

そして今回は、私の音の判断は極力加えなかった。
二つの音を聴いてもらい、どちらが良かった(好かった)か、挙手してもらい、多数決で進めていった。

Date: 8月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第八夜

audio wednesday (next decade) – 第七夜は、9月4日である。
時間、場所はこれまでと同じ。

すでに告知しているとおり、今回と同じく757Aレプリカを鳴らす。

今日のaudio wednesdayでは2ウェイのまま鳴らした。
5月の会ではエラックのリボン型トゥイーターを足しての3ウェイだったが、
今回はあえて2ウェイのまま。

9月の会で、トゥイーターを足して3ウェイとする。
候補は、JBLの2405とデッカのリボン型である。
どちらも野口晴哉氏のコレクションだ。

デッカは四本のストックがある。
試してみたいことがある。

Date: 8月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜(いよいよ明日)

明日(8月7日)のaudio wednesdayは、これまでとは少し趣向を変えて行う。
オーディオ寄りに振った、いわば試聴会とも言える。

四谷三丁目の喫茶茶会記でやってきたことを、今回はやってみる。
これまでに鳴らしてきたスピーカーの一つ、ウェスターン・エレクトリックの757A、
そのレプリカを仕上げていこうというのが、8月と9月の会のテーマとなる。

5月の会ではセッティングし終えた音を聴いてもらったが、
今回はレプリカという自作スピーカーだからこそできるあれこれを試して、
その音の変化によって音楽表現がどう変化していくのか、そのことを聴いてもらいたい。

オーディオはどんな細かいことであっても、何かを変えれば音は変っていく。
だから、そのことに拘泥してしまうと、
泥沼に知らず知らずのうちに入っていくことにもなる。
その泥沼を楽しむ人もいるが、
オーディオの本当の楽しさは、そういうところにはない。

そのことを少しでも感じ取ってもらえたら、と考えている。

今回は、久しぶりにTIDALではなくCDを鳴らす。

Date: 7月 19th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜(ネットワークのこと)

8月7日のaudio wednesdayは、5月に鳴らした757Aレプリカを鳴らす。
前回は元からついていたネットワークをそのまま使っての音出しだった。
今回は、ネットワークをいくつか試す。
まず前回と同じ構成(ネットワーク)で鳴らす。
次にAmpex(JBL)の、古いネットワークにする予定だ。
預かっているモノで、大型のネットワーク。

どんな音がするのか、預かっているだけで、その音を聴いてはいないから、
これの音は私も楽しみにしている。

それからアキュフェーズのDF35を使って、バイアンプドライヴも予定している。

これらの音を確認した上で、ネットワークの自作を考えている。
なので9月も757Aのレプリカを鳴らす。
8月は2ウェイのまま鳴らすが、9月の会では、トゥイーターを足す。
デッカのリボン型トゥイーターを、片チャンネルあたり二本足してみようと考えているところ。

Date: 7月 18th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜・選曲について

7月のaudio wednesdayの日は暑かった。
梅雨があけた8月のaudio wednesdayは、
同じくらいかもっと暑くなるかもしれない。

8月に鳴らすのは757Aレプリカだから、ホーン型である。
8月に鳴らしたい曲は、ホーン型だから聴きたい曲になるかもしれない。

暑さを吹き飛ばしてくれるほどに、
熱い演奏をかけたいと考えている。

ウーゴ・ディアスだろうか。

Date: 7月 13th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第六夜を終えて(その2)

7月3日の最初の曲は、
エーリッヒ・クライバーによる「フィガロの結婚」。
第一幕を最後までかけた。

来られた方たちの中には、退屈された人もいたかもしれないが、
私は、このまま第二幕、第三幕、第四幕、
つまり「フィガロの結婚」だけをかけていたかった。

いまの時代、エーリッヒ・クライバーの「フィガロの結婚」は、
どういう評価をされているのだろうか。

特に知りたいわけでもないが、
なんだか忘れ去られようとしているのかも……、
そんなふうに思うこともある。

古い録音だ。七十年ほど前の録音なのに、
本当の意味で、鮮やかな音で「フィガロの結婚」が聴ける。

Date: 7月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第六夜を終えて(その1)

8月9日に、映画「ボレロ」が公開される。
予告編を見ていると、けっこういい出来の映画のように思える。

実際の出来がどうなのかは、
劇場で本編を観ないことには何もいえないけれど、
この予告編を見ていたから、
7月3日のaudio wednesdayでかけたくなっていた。

誰の指揮でかけるのか。
クリュイタンスかミュンシュか。

ミュンシュ/パリ管弦楽団の録音を、19時の開始前にかけた。

ボレロを最後までとおして聴いたのは、いつ以来なのか、
思い出せないほど聴いていなかった。

断片的には、どこかで耳にすることはあっても、聴きたくてなって最後までというのは、久しくなかった。

メリディアンのDSP3200とエラックの4PI PLUS.2の組合せ。
そこから鳴ってきたボレロは、
この程度のボレロの聴き手でしかない私の耳を魅了した。

Date: 7月 3rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜

audio wednesday (next decade) – 第七夜は、8月7日である。
時間、場所はこれまでと同じ。

5月の第四夜と同じスピーカー、757Aのレプリカを鳴らしてみようと考えている。

タイプはまるで違うが、パワーアンプを二台用意できる。
アキュフェーズのA20VとマッキントッシュのMC275である。
それにアキュフェーズのデヴァイダー、DF35も持ち込み済み。

マルチアンプで757Aレプリカを鳴らせる。
DF35はデジタル信号処理で、ユニットの前後位置の補正が可能。

757AレプリカのホーンはJBLの2397で、ドライバーは2420なので、
スロートアダプターを、2328と2327を使うことになり、
ウーファーのボイスコイル位置とドライバーのボイスコイル位置は、
さらに広くことになる。

これをデジタル信号処理することで、どんなふうに音が変化するのか、
そのことによって音楽の表情がどう変っていくのか。

これまでとは趣向をかえてみようと考えている。