audio wednesday (next decade) –第十二夜(JBL 4343、ふたたび)
1月8日のaudio wednesdayは、ふたたびJBL 4343を鳴らす。
audio wednesday 序夜は1月10日だった。
瀬川先生の誕生日でもあった。
今年は8日だけれど、瀬川先生が生きておられたら90歳。
なので4343を鳴らす。
また4343を鳴らせるのだから、とにかく嬉しい。
今回は、エラックのリボン型トゥイーターを加える予定でもある。
1月8日のaudio wednesdayは、ふたたびJBL 4343を鳴らす。
audio wednesday 序夜は1月10日だった。
瀬川先生の誕生日でもあった。
今年は8日だけれど、瀬川先生が生きておられたら90歳。
なので4343を鳴らす。
また4343を鳴らせるのだから、とにかく嬉しい。
今回は、エラックのリボン型トゥイーターを加える予定でもある。
1月10日の序夜から始まったaudio wednesday。
序夜での一曲目は、
ピーター・ガブリエルの
“Biko [Live At Blossom Music Centre, Cleveland]”。
12月4日、audio wednesday 十一夜での最後の曲は、
グラシェラ・スサーナの「人生よ ありがとう」。
“Biko [Live At Blossom Music Centre, Cleveland]”で始めて、
「人生よ ありがとう」で終えられて、
私は、これでよかった、と思っている。
今日のaudio wednesdayのテーマは現代音楽だが、
18時から19時までの一時間は、グラシェラ・スサーナだけをかける。
Qobuzにするか、CDをリッピングしてUSBメモリーで持っていくか、
どちらかにするつもりでいたが、LPにする。
アナログディスクで、一時間、グラシェラ・スサーナを聴いてもらう。
10月に行う予定だった今回のテーマ。
二ヵ月おくれてやっとできる。
選曲は常連のHさんに任せてしまったけれど、
BOSEの901にエラックのリボン型トゥイーターを組み合わせるだけでなく、
後半からはセンターチャンネルを足すつもりでいる。
使用機材をあげておく。
Speaker System: BOSE 901 Series V
Super Tweeter: ELAC 4PI PLUS.2
Control Amplifier: Marantz Model 7, McIntosh C22
Power Amplifier: Accuphase A20V, McIntosh MC275
D/A Converter: Meridian 218
Streamer: Meridian 210
マッキントッシュのMC275だけでなく、C22も使う。
ただしC22は、まだメンテナンスされていないので、
当日試してみて不調ならば取りやめだが、
うまくいけばセンターチャンネルのスピーカーには、
ウェストレックスの757Aを鳴らす。
どんな音になるのか、非常に楽しみだ。
開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。
会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。
参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。
一週間後のaudio wednesdayは、告知しているように、
BOSEの901 Series Vで現代音楽を聴く(鳴らす)。
そのことに変更はないが、開始までの約一時間は、
グラシェラ・スサーナを鳴らすつもりでいる。
11月の会では、18時から開始時間の19時までの一時間を、
リクエストタイムにあてた。
今回もそうする予定でいたが、グラシェラ・スサーナが亡くなったので、
この時間は私のわがままを通して、スサーナだけの一時間とする。
なので12月の会ではリクエストはなしとなる。
12月のaudio wednesdsyでは、
BOSEの901 Series VをマッキントッシュのMC275で鳴らすわけだが、
その理由は何度か書いているのでここでは省略するが、
昨日の、BOSEがマッキントッシュ・グループを買収したことには、
少々びっくりした。
オーディオ・ブランド(会社)も、買収されることはわりとある。
今回のようにニュースとして報道されることもあれば、
ひっそりと買収した(された)ことも少なくない。
だから、あのブランドとこのブランド、同じ系列だったのか──、
そんなふうに驚く人もいるだろう。
今回の買収そのものについては語らないが、
12月の会で組み合わせようとしていたBOSEとマッキントッシュが、
このタイミングで同じ会社になるとは、まったく予想していなかったし、
世の中、いろいろなことが起こるものだ、と思っているところでもある。
BOSEの901が、限定で復活する。
BOSEのInstagramには、”limited to 12 custom”とある。
ある日本語のサイトでは、限定12台と伝えているけれど、
それだと限定6ペアとなってしまうから、限定12ペアではないかと思うのだが、
どちらにしてもわずかな数の復刻モデルとなる。
なので実物を見ることも聴くこともないだろう。
そんなごく限られた復活であっても嬉しく思う反面、
発表された写真を見ると、なんなんなんだろうな……、と思ってしまう。
なので12月のaudio wednesdayで鳴らす901 Series Vが、
よけいにカッコよく見えてしまう。
11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮から運んでくる必要があった。
当初は、私がクルマと運転手を手配して、という手筈だったのが、
頼んでいた人が、ストレスで短期間ではあったけれど引きこもりになってしまった。
いまは元気になっているけれど、
前もって運搬・搬入しようとしていた時は、
頼めそうな感じではなかった。
もう一人、声をかけていた人もいたが、
この人は心筋梗塞で入院してしまった。
4343のオーナーのHさんは、クルマへの積み込みと移動は、
レンタカーを手配して、一人で大丈夫という方だったので、お願いすることになった。
これで安心と思っていたら、
11月2日に、彼が予約していたレンタカーが事故にあって、
借りれなくなった、代車が用意されるようだ──、
という連絡があった。
3日の夜になってもレンタカー会社からの連絡がないので、
最悪運べないかもしれない可能性も出てきた。
4日に連絡があって、代車が用意された、とのこと。
これでほんとうに安心できる、と思った。
4343は無事届いた。
けれど、すでに書いているように、予想しない不具合が発生。
4343に原因があるのではなく、
他のところによる不具合なのだが、どこなのかがなかなかはっきりとせず、
けっこうな時間を費やしながら、
少しだけ、何かに邪魔されているのか……、そんなことも思ったりした。
しかもトラブルはもう一つあって、
前日夜にHさんが4343をチェックしたところ、2405が鳴らなかったそうだ。
深夜まで時間をかけて、鳴るようになった、という話を、
準備している時に聞いていたものだから、
いったいなんなんだろう──、と思うしかなかった。
そんなことがあったけれど、4343はよく鳴ってくれた。
2012年12月に、別項にこう書いた。
ステレオサウンド 61号の編集後記に、こうある。
*
今にして想えば、逝去された日の明け方近く、ちょうど取材中だったJBL4345の組合せからえもいわれぬ音が流れ出した。この音が先生を彷彿とさせ、話題の中心となったのは自然な成り行きだろう。この取材が図らずもレクイエムになってしまったことは、偶然とはいえあまりにも不思議な符号であった。
*
この取材とは、ステレオサウンド 61号とほぼ同時期に発刊された「コンポーネントステレオの世界 ’82」で、
井上先生による4345の組合せのことである。
この組合せが、この本の最初に出てくる記事にもなっている。
ここで井上先生は、アンプを2組選ばれている。
ひとつはマランツのSc1000とSm700のペア、もうひとつはクレルのPAM2とKSA100のペアである。
えもいわれぬ音が流れ出したのは、クレルのペアが4345に接がれたときだった、ときいている。
このときの音については、編集後記を書かれたSさんにも話をきいた。
そして井上先生にも直接きいている。
「ほんとうにいい音だったよ。」とどこかうれしそうな表情で語ってくれた。
もしかすると私の記憶違いの可能性もなきにしもあらずだが、
井上先生は、こうつけ加えられた。
「瀬川さんがいたのかもな」とも。
このことがあったから、今回、パワーアンプはクレルのKSA100にした。
Hさんは、クレルのパワーアンプを他にも持っている。
KMA200とKMA100である。
その中でKSA100を持ってきてもらったのは、上記の引用が理由だ。
しかも井上先生の4345の組合せの試聴は1981年の11月6日。
このころの井上先生のことだから、試聴がはじまったのは、
早くても夕方から、大抵は夜になってからで、
4345からえも《いわれぬ音》が鳴ってきたのは、
翌7日の朝早い時間のはず。
今回のaudio wednesdayも11月6日。
無理なこととはわかっていても、できれば朝方まで鳴らしたかった。
11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮に住むHさんのモノである。
彼は四谷三丁目の喫茶茶会期からの常連で、当時は愛知、兵庫から来てくれていた。
audio wednesdayが終ったあと、新宿から深夜バスで帰り、
翌日は、もちろん朝から仕事。若いなぁ──、と思っていた。
彼はまだ30代。今は宇都宮なので、アンプやスピーカーを、
audio wednesdayに持ってきてくれる。
クレルのKMA200、アポジーのDuetta Signatureも、
彼の私物である。
彼が4343を一人でクルマに積み、運んできてくれた。
クルマの後ろの扉を開ける。
横置きで積まれた4343の底板が見える。
4343は1976年登場で、1981年くらいまで製造されていた。
四十年から五十年近く経っているわけだから、
新品同様ということはまずない。
底板は、調整の際、動かすわけだから、多少なりとも傷が残る。
そんな底板を見た時は、それだけの年月が経っていることを感じていた。
それでも運び込み設置。
アンプやその他の器材もセットして結線して──、
けれどすでに書いたように予想外の不具合が発生して、
4343からやっと音が鳴ってきたのは、けっこう時間が経っていた。
やっと落ち着いてソファーに座り、音をきちんと聴く。
その時改めて、4343はスーパースターだ、と、感じていた。
佇まいが、そうだった。
お互い歳をとったけれど、4343はやはりスーパースターのままだった。
様になるスピーカーのままだった。
昨晩のaudio wednesdayは、JBLの4343を鳴らした。
予想できなかった、しかも初めての不具合の解消にかなり時間をとられて、
十全な調整が行えたわけではなかったが、
自己採点ではあるが、まあうまくいったと思っている。
それにしても今回の不具合の原因は、意外なところにあって、
それゆえに手間取ったわけだが、大きな経験にもなった。
4343を自分の手で鳴らすのは、ステレオサウンドにいたから以来だから、ほぼ四十年ぶり。
4343の音を聴いたのは2005年、
早瀬文雄さんのリスニングルーム以来である。
1976年に登場した4343だから、五十年近く前のスピーカーとなる。
古いスピーカーといえば、確かにそうなのだが、
だからといって、その一言で切って捨てられるほど、
軟弱なスピーカーではない。
いつもは端っこで聴いているのだが、
今回だけはいちばんいいポジションで聴いていた。
書きたいことはもっとある。
それは個人的な想いばかりだから、この辺にしておく。
12月4日のaudio wednesdayは、
現代音楽をBOSE 901で聴く、がテーマである。
10月に予定していたが諸事情で12月に延期。
現代音楽にうとい私だから、選曲は常連のHさんにお願いした。
なので当日は、私はいつもと違い聴く側にまわれる。
アンプはマッキントッシュのMC275を予定している。
別項で聞いたことがあるように、ステレオサウンドの試聴室で、
CDプレーヤーをMC275に接続し、901を鳴らしたことがある。
その音の記憶があっての、もう一度、聴いてみたいと常々思っていた。
今回は901だけでなく、エラックのトゥイーターも使う。
どんなふうに変化するのか、それも楽しみにしている。
あとひとつ、これは当日、実際に試してみないことにはうまくいくのかどうか、
なんともいえないが、考えていることがある。
そういうことを含めて現代音楽を聴いていく。
明日(11月6日)のaudio wednesdayは、JBLの4343を鳴らす。
パワーアンプは、クレルのKSA100。
D/Aコンバーターは、メリディアンのUltra DACだ。
書きたいことはいっぱいあるけれど、もう書かなくてもいいだろうという気持も強い。
明日、鳴らすだけであるため
開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。
会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。
参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。
ながいことオーディオという趣味に熱中してきたのであれば、
特別な存在のスピーカーというものが、一つはあるはずだ。
それは世代によっても、どういうオーディオ機器に出合ってきたのか、
さまざまなことが関係しているから、
特別なスピーカーが、みな同じわけではない。
JBLの4343。
1970年代後半におけるオーディオ界のスーパースターだった。
そこでの憧れがあった。
けれど、それだけでなく、
4343は私にとっての「特別なスピーカー」だ。
なぜ特別なのかについて、
すべて書いていくと、どれだけでも書けてしまう。
なぜ特別なのか、
それは瀬川冬樹というひとりのオーディオ評論家と、
私の中では分かち難く結びついているからだ。
瀬川先生がいたからこそ──、そういえる。
今年1月から始まった狛江でのaudio wednesdayは、
来年も継続してやることになった。
来年、ぜひやりたいことがある。
シーメンスのオイロダインで、
クナッパーツブッシュの「パルジファル」を、
最初から最後まで、ほぼ四時間かけることだ。
もちろんMQAで鳴らす。