Posts Tagged インターナショナルオーディオショウ

Date: 7月 10th, 2014
Cate: ショウ雑感

2014年ショウ雑感(その1)

今年のインターナショナルオーディオショウは九月に開催される。
もう少し先のことなのに、こうやってショウ雑感を書くのは、
今年のショウにハーマンインターナショナルが出展しないことがはっきりしたからである。

五月の終りごろだったか、
twitterとfacebookの両方で、来年のショウからハーマンインターナショナルが出展しない、という書き込みをみた。
その書き込みはすぐに、来年だけでなく今年もだ、というふうになっていった。

ハーマンインターナショナルは毎年ふたつのブースを使っていた。
JBL、マークレビンソン、SMEなどを扱っている。
そのハーマンインターナショナルが出展しなくなるなんてことがあるのか、と訝っていたら、
六本木のミッドタウンに直営店を出したことが、インターナショナルオーディオショウの規約にひっかかるためだ、
という情報も流れてきた。

そういう規約があるのならば、ハーマンインターナショナルが出展しないのもわかる。
けれど直営店ではないにしても、ほとんど直営店といえる販売経路をもっている輸入代理店がないわけではない。
そういうところは大丈夫なのか、と思っていたら、
そういうところは直営店ではなく、あくまでも子会社、別会社としての経営だという情報がまたあがってきた。

それならば規約に違反していないことになる。
そういう前例があるにも関わらず、ハーマンインターナショナルは直営店を選んだ、ということになる。

ハーマンインターナショナルが抜けたふたつのブースには、ヤマハとヨシノトレーディングが出展する。

Date: 10月 5th, 2008
Cate: Bösendorfer/Brodmann Acoustics, VC7, ショウ雑感

2008年ショウ雑感(その1)

インターナショナルオーディオショウで、個人的に印象に残っているのは、
ベーゼンドルファーの不在である。

去年、聴いたベーゼンドルファーの音を
もういちど聴きたくて会場に足を運んだといってもいいくらいだっただけに、残念である。

今年はじめ、ベーゼンドルファーをヤマハが買収したニュースをきいて、
いちばん心配だったのがスピーカーの製造が終了してしまうことだった。
案の定だ。

ピアノメーカーがつくったスピーカーだけに、ピアノの再生は得意だけど、
ほかのものは……、という印象が強かったようだが、
響きの忠実性は、高いものを持っていたスピーカーだった。

去年のノアのブースでかけられていたカンターテ・ドミノだが、
教会で録音されていることはよく知られているが、
この教会は石造りではなく、木で造られた教会だけに、
一般にイメージされる教会の響きと違い、暖かく柔らかい。
この木の感じを、よく出してくれる。

そして次にかかった、同じ教会でも石造りのところで録音されたCDでは、
そういう響きを見事に響かせてくれる。

いわゆる音場感とは違う、響きの再現性。
なかなかこういうスピーカーはないだけに、ひじょうに残念だが、
ベーゼンドルファーのスピーカーに関する主要スタッフは、ふたりだけらしい。
もしかすると、彼らが独立して、またスピーカーづくりをはじめるかもしれない、
という情報も耳にした。期待している。

Date: 10月 2nd, 2008
Cate: 瀬川冬樹

スピーカーとの出合い

明日からインターナショナルオーディオショウがはじまる。
晴海でオーディオフェアが開催されていたときの状況と比較すると、
試聴条件ははるかによくなっている。

けれども入りきれないほどの人が集まったブースでは、
なかなかいい音で鳴ってくれないし、ほかの理由で本領発揮できないスピーカーもあろう。

「オーディオ機器は自宅試聴しないとほんとうのところはわからない。
特にスピーカーはその傾向が強い」という人もいる。
なじみのオーディオ店(というよりも人だろう)があり、
関心のあるオーディオ機器を自宅で聴けるのなら、それに越したことはない。

あえて言おう。どんなにひどい音で鳴っていたとしても、
自分にとって運命のスピーカーというものと出合ったときは、すぐにわかるはずだ。

瀬川先生が以前言われていた。
「運命の女性(ひと)と出逢ったならば、そのひとがたとえ化粧していなくても、
多少疲れていて冴えない表情をしていたとしても、ピンとくるものがあるはずだ。
スピーカーもまったく同じで、
ひとめぼれするスピーカーなら、ひどい環境で鳴っていても惹かれるものがある」

瀬川先生の、この言葉は自戒も含まれているように思う。

1968年に山中敬三氏から、「お前さんの好きそうな音だよ」と声を掛けられて、
山中氏のリスニングルームでKEFのLS5/1Aを聴かれたが、
「この種の音にはどちらかといえば冷淡な彼の鳴らし方そのもの」だったし、
しかも山中氏のメインスピーカーアルテックA5の間に置かれ、
左右の距離がほとんどとれない状態での音出しも影響してか、
LS5/1Aの真価を聴きとれなかったことへの……。

とにかくショウの3日間、直感を大事にして音を聴いてほしい。