Date: 12月 31st, 2012
Cate: オリジナル
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オリジナルとは(続・JBLのスピーカー端子のことで思ったこと)

私にスピーカー端子の交換についてきいてきたAさんは、
JBLの4300シリーズに惚れ込んでいる。おそらくこれから先も鳴らし続けられる、と私は勝手に思っている。

でもAさんは、あるところで聴いた音によって、すこし心が揺らいでいるように、傍からはみえる。
新しいスピーカーシステムに換えられることはたぶんないとおもうけれど、
4300シリーズが、いまのところ苦手とする音の良さを、
あるところで聴かれた音に感じとられての迷いであり、
そういうときに愛用のJBLのスピーカー端子がこわれた。

そんなのはたまたまであって、30年以上使ってきたスピーカーなんだから、端子の寿命が来ただけ。
事実としてはそうであっても、
Aさんの心に迷いが出た時に端子がこわれてしまったことに、
なにかJBLのスピーカーがAさんに訴えかけようとしているのではないか、と、
Aさんと別れた後、夜道をひとり歩きながらそんなことを思っていた。

4300シリーズに採用されているスピーカーユニットは、
いまみても良くできている。
もちろんまったく欠点がないわけではない。
それでもアメリカならではの物量を投入した、実にしっかりしたつくりで、
このスピーカーユニットならば信頼できる──、そう使い手に思い込ませる(信じ込ませる)だけの魅力をはなつ。

けれど4300シリーズにしても、スピーカーユニットの能力がフルに発揮されているかとなると、
そうとはいえないところが、やはりある。
4300シリーズのシステムそのものにもそういうところがいくつもあるし、
それだけでなくスピーカーユニットにも、バネ式の端子は使われていて、
若干なのではあろうが、JBLのプロ用ユニットの能力を抑える要因となっている。

つまり、この時機に端子にこわれてしまったのは、
JBLのスピーカーがAさんに対して、細部をもう少しリファインしてくれれば、
Aさんの心を迷わせた音だってかなり出せる。それだけの実力はもっている。
そのためにもこことあそこをどうにかしてほしい──、
そう訴えるためである、と想像してしまう。

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