電源に関する疑問(その7)
Aクラス動作のパワーアンプだと、発熱量がふえるために、
アンプの動作を安定化させるためにも、ヒートシンクは大型のものが必要となる。
アンプの内部温度が高くなると、故障の発生率も高くなる。
一般的に、電子機器の場合、筐体内部の温度が5℃高くなると、故障発生率は2倍になるときく。
だから放熱には、あまり神経質になることはないが、ある程度は気をつけたい。
発熱量が多いAクラス動作のパワーアンプには、
大型のヒートシンクを用意すれば、それで問題がすべて解決するわけではない。
大型のヒートシンクに出力段のパワートランジスターを取りつけると、
ドライバー段から出力段までの配線が必然的に長くなる。
30年ほど前の高域特性がそれほど伸びていないトランジスターならば、
それほど配線の自己インダクタンスは、それほど問題視されていなかったようだが、
1970年代のおわりごろから登場しはじめた高域特性の優れたパワートランジスター、
EBT(エミッター・バラスト・トランジスター)やRET(リング・エミッター・トランジスター)、
さらにもっと新しいパワートランジスターの性能を活かすには、ドライバー段と出力段の配線は極力短くしたい。