電源に関する疑問(その6)
出力段のパワートランジスターは、小さいながらも、振動源のひとつである。
そしてヒートシンクは、一種の音叉的な役割をする。
だから薄いフィンの放熱器のパワーアンプだと、ダミー抵抗を接続して入力信号を加えると、
フィンが音楽信号に応じて鳴くのが、確認できることもある。
Aクラス動作のパワーアンプでは、出力トランジスターに、アイドリング電流をたっぷり流す。
つまり無信号時でも、このアイドリング電流によって、振動を発生させているとみていいだろう。<
Bクラス動作では、無信号時では、ほとんどアイドリング電流は流れない。
つまりトランジスターの振動は、ごく小さいと思われる。
Aクラス動作とBクラス動作を比較すると、効率の面ではBクラス動作が優れているが、
スイッチング歪、クロスオーバー歪ということになると、原理的に発生しないAクラス動作ということになる。
だからといって、Aクラス動作のパワーアンプが、音の面で、
Bクラス動作のものよりもすべての面で優れているとは、決して言えない。