Date: 10月 29th, 2009
Cate: 理由
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「理由」(その4)

「五味オーディオ教室」こそ、はじめて手にしたオーディオの本であり、
オーディオへのきっかけであり、以前書いたように、私のオーディオの「核」となっている。

「核」になるまで、なんどもなんども短期間に集中して読んでいた。
学校にも持っていっていた。

私は、五味先生の「言葉」によって、オーディオの世界に足を踏みいれた。
どこかで素晴らしい音を聴いたわけでもないし、まわりにオーディオに関心をもっている人はいなかった。

それでもオーディオブームだったこともあり、
同級生でオーディオに少しばかり関心を持っているのが数人いたけれど、
オーディオの話をしたことはない。

オーディオの仲間も先輩も、師と呼べる人もいなかったことは、
ある人は「寂しいことだね」というかもしれないし、またある人は「不幸だね」とつぶやくかもしれないが、
「核」らしきものができるまで「五味オーディオ教室」のみを読みつづけていたことは、
これ以上の幸運はなかった、と確信している。

「五味オーディオ教室」を手にしてから、ステレオサウンドの存在に気がつくまでの数ヵ月のあいだ、
私が影響をうけていたのは五味先生の「言葉」だけだったのだから。

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