Date: 10月 27th, 2012
Cate: 平面バッフル
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「言葉」にとらわれて(その7)

エレクトロボイスに、以前は30Wという、その名の通り30インチ(76cm)口径のウーファーがあった。
パトリシアン800にも搭載されているウーファーで、
1970年代には15インチを大きくこえる大口径のウーファーといえば、
この30Wかハートレーの224HS(24インチ・60cm口径)ぐらいだった。
フォステクスの80cm口径のウーファーFW800が登場するのは、もう少し後のこと。

これら3つの大口径ウーファーのなかで、やや異色なのは30Wである。
224HSもFW800も、ダイレクトラジェーター型としての使用が前提である。
30Wはパトリシアン800に採用されていることからもわかるようにホーンロードをかけることが、
ほぼ絶対条件ともいえる設計のウーファーである。

私自身は、これらの大口径ウーファーを使ったことはないけれど、
井上先生によると、30Wはかなりの空気負荷をかけないと、ボイスコイルを擦ってしまうことがあり、
さらにコーンの振動板は一般的な紙ではなく、発泡ポリスチレンを使っているためもあって、
カサカサという附帯音が出てくる、とのことだ。

30Wは大口径だから、大きな内容積をもつエンクロージュアにいれて、
たとえばリスニングルームの隣りの部屋をエンクロージュア代りに使い、
30Wは聴き手の方を直接向いている、というのは、決して正しい30Wの使い方とはいえない。

30Wを導入しようとする人は、
一般的な大口径、つまり15インチのウーファーでは無理な領域の低音を再生したいがためであって、
それだけ低い周波数までホーンロードをかけて、ということになると、
低音ホーンの長さ、開口部の大きさは相当なものになり、ごくごく一部の人しか使えないことになってしまう。

現実的な方法としては、適度な内容積の密閉型エンクロージュアにおさめ、
30Wを壁に向けて鳴らす、ということになる。
壁と30Wの距離を10cmから20cmくらいのあいだで調整していくわけだ。

こうすることでボイスコイルが擦ることもなく、カサカサという附帯音も気にならなくなる、ということだ。

これはあくまでも、ホーンロードがかけられないときの使い方であると思っていたのだけれど、
実はそうではなくて、低音再生において、つまり30Wの使い方ということだけではなくて、
この使い方には大きなヒントがあることに気がついた。

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