Date: 10月 12th, 2012
Cate: 日本の音
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日本のオーディオ、日本の音(その15)

CDプレーヤーの小さなヒートシンクの鳴き止めとしてついているゴムは接着してあったわけではなく、
外そうと思えば簡単に外せたしすぐに元にも戻せた。

だから当然外した音も聴いてみる。
ゴムが付いている音と外した音を聴いたら、次はゴムの取付け位置を変えてみる。
ヒートシンクの上部、下部、中央、最低でもこの3つの位置の音は聴いてみる。

いいかげんなセッティングによる、いいかげんな試聴では、
こういう細かな違いによる音の変化は、ほとんど聴き取り難くなるけれど、
逆にいえば、こういう細かな違いを鳴らし分けることができるようにセッティングを心掛ける、ともいえる。

とにかく鳴き止めをした音とそうでない音をいちど聴いてしまうと、
他のCDプレーヤーで、鳴き止めをなにも施していないモノだと、
やはりあれこれ試してみたくなる。
ヒートシンクのフィンのピッチがほぼ同じであれば、上記CDプレーヤーのゴムを流用できたし、
試聴室内での比較的短い時間内での実験でもあるからアセテートテープを使うこともあった。

また、ちょうどこのころはヤマハからYT9SPというアクセサリーが出ていた。
スピーカーのチューニング用として、フェルト、無酸素銅、コルク、皮のコイン状のスペーサーをそろえたもので、
この中の無酸素銅のスペーサーをヒートシンクの上に置く。
別項で書いているソニーのパワーアンプTA-NR10のヒートシンクは銅製だが、
CDプレーヤーのヒートシンクは一般的なアルミ製。
だから銅とアルミは異種金属ゆえに、この無酸素銅のスペーサーを置くだけで、
ヒートシンクの鳴きは尾を引かなくなる。

ヒートシンクの鳴きを抑えるという結果は同じでも、
ゴム(弾性体によるダンプ)と無酸素銅(異種金属によるダンプ)とでは、
結果としてのスピーカーから鳴ってくる音には違いが生じる。

断っておくが、ヒートシンクの鳴きを抑えたからといって、
必ずしも、トータルとしての音がよい方法に向くとは限らない。

ここでいいたいのは、CDプレーヤーのリアパネルにある、
小さなヒートシンク、それも電源部用のヒートシンクでもあって、
何かをすれば音は確実に変化する、という事実がある、ということだ。

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