妄想組合せの楽しみ(その20)
1970年代の終りに登場したソニーのTA-N88が、コンシューマーオーディオ用のアンプとして、
はじめてD級動作を、そして電源にもスイッチング方式を採用している。
そのあとは続かなかったが、ここ数年、B&OのICEpowerをはじめ、
各社からD級動作のアンプ(俗称デジタルアンプ)がいくつか登場している。
ソニーからも、TA-DR1が出ている。
D級アンプも、従来からのA級、AB級動作のアンプも、最終的には、設計者のセンスと技倆によって、
性能、音は決るわけで、
「デジタルアンプこそ最高」とか、「いやいや、デジタルアンプなんて、まだまだ」とはいえないし、
D級動作のアンプには、これから、といいたくなる点もいくつかある。
とはいえ、あれだけの効率の良さは、十分に魅力的である。
今日ふと思いついたのだが、スレッショルドのステイシス回路、それもプロトタイプの回路構成に、
D級動作のアンプを利用してみる、というのは、意外に有効かもしれない。
ステイシス回路のステイシスセクションは、これまでどおりA級動作のアンプを使い、
電流源となるアンプ部に、D級動作のアンプ(ICEpowerを使ってみたい)をもってくる。
A級アンプとD級アンプの組合せで、ステイシス回路を構成するわけだ。
そうすれば、大出力ながら、かなりコンパクトに仕上げられる。