ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その2)
私が最初につかっていたスピーカーケーブルは、スピーカーシステムに付属してきた、いわゆる赤黒の平行線だった。
このスピーカーケーブルをできるだけ短くして使っていた。
それからこの赤黒のケーブルを2本に割いてしっかり撚ってみたりしたこともある。
スピーカーケーブルを購入したのは、パイオニアのスターカッド構造のもだった。
型番は確かJC200で、1mあたり200円くらいだった、と記憶している。
JC200にした理由は簡単だ。
何度か、このブログで書いているように高校生の頃、欠かさず瀬川先生の、
熊本のオーディオ店でのイベントには行っていた。
そこで、スピーカーケーブルについてふれられたとき、
パイオニアのJC200が比較的いい結果で、
同じスターカッド構造の屋内配線材をスピーカーケーブルとして使っている、ということだった。
スターカッドの屋内配線用のものは入手できなくても、
パイオニアのJC200はすぐに入手できたし、値段も安かった。
2m×2で4mあれば十分。200円×4で800円。
4芯構造とはいえ、JC200は特に太いスピーカーケーブルではなかった。
アンプのスピーカー端子にも、スピーカーの入力端子にも末端処理をすることなくそのまま使えた。
JC200の話をされたころは、まだマークレビンソンのHF10Cは登場していなかった。
ステレオサウンド 53号に瀬川先生は「数ヵ月前から自家用に採用していた」と書かれているからだ。
このころスピーカーケーブルとして記憶に残っているのは、
パイオニアの他には、ビクターから出ていた細い線を編んだもの、
海外製品ではたしかイギリスのメーカーのルーカスがあった。
私がルーカスのことを知ったのは、当時の無線と実験かラジオ技術の広告に載っていたからで、
当時としては珍しい海外製のケーブルだったから、
それがどういうものなのかはまったく分らなくても興味を持っていた。
記事になったことはなかった、と思う。
このルーカスのスピーカーケーブルのことが、
1982年に出た「音楽 オーディオ 人びと」という本の中に登場していた。