Date: 5月 22nd, 2012
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(その1)

6年ぐらい前のことになるが、
このときはmixiをやっていて、そこで「JBLのランシングはどんなアンプを使っていたのか」という質問を受けた。

JBLブランドのアンプが登場するのはランシングが亡くなってから、
真空管からトランジスターへ移行してからである。
ランシングが、どんなアンプで自らのスピーカーユニットを鳴らしていたのかは、
いくつかな資料を見てもまったく手掛かりがない。

確実にいえることは、真空管アンプだ、ということだけ。
真空管アンプといっても、いろいろな形態がある。
どんな真空管アンプなのか、は、もう想像するしかない。

真空管アンプで、20dBもの高帰還アンプとして登場したウィリアムソンアンプは、
イギリスの雑誌「Wireless World」の1947年4/5月号で論文発表されている。

ウィリアムソン・アンプは、電圧増幅段に使われているのはL63/6J5、
出力段はKT66を三極管接続にしたプッシュプル。
位相反転は2段目のP-K分割。初段とこの位相反転とのあいだは直結となっている。
NFBは出力トランスの2次側から初段のカソードへとかけられている。

いまウィリアムソン・アンプの回路図を眺めても、
ウィリアムソン・アンプの登場を体験していない世代にとっては、
当時の人が受けた衝撃の大きさはなかなか理解しにくいが、
真空管アンプの歴史を少しでも調べていった人ならば、その大きさの何割かは実感できると思う。

ウィリアムソン・アンプは、イギリスの雑誌に発表されたことからもわかるようにイギリスで生れた。
そしてウィリアムソン・アンプの要となる出力トランスは、分割巻きのトランスで知られるパートリッジ製である。

このパートリッジ製の出力トランスの優秀性のバックアップがあったからこそ、
20dBものNFBを安定にかけられた、ということだ。
つまり当時ウィリアムソン・アンプを実現するには、
パートリッジ製と同等の性能をもつ出力トランスが必要だったことになる。

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