Date: 5月 10th, 2012
Cate: 使いこなし
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使いこなしのこと(その36)

数年前にステレオサウンドがひさしぶりにスピーカーシステムの測定を行っていた。
そこにソナス・ファベールのスピーカーシステムも含まれていて、
私のまわりでも、その測定結果を見た何人かが
「ソナス・ファベールって、特性もいいんですね」といった感想をもらしていた。

私は、というと、実はその少し前に傅さんから、
ソナス・ファベールのセルブリンのスピーカーづくりについて、聞いていたことがあったので、驚きはなかった。
傅さんから聞いた話はこうだった。
セルブリンは開発中のスピーカーシステムのどこかを変えたら、まず音を聴く。
そしてその後、マイクロフォンをセッティングして、その場ですぐに測定をする。
細部はすこし曖昧になっているが、こんな話を聞いていた。

こういう開発を行っているのだから、
スピーカーシステムとしての基本的な物理特性はしっかりしている、と予想できていたから、
ステレオサウンドに掲載された測定結果を見て、驚きはなかった。

そういうセルブリンのいう「スピーカーは楽器だ」なのだから、
そのままスピーカー楽器論と結びつけていくのではなく、
もう少し違うニュアンスがここには含まれていると考えるべきではないだろうか。

これは私の勝手な想像だが、セルブリンはスピーカーは忠実な変換器であるべき、と考えているのだ、と思う。
そして「スピーカーは楽器だ」は、その忠実な変換器であるスピーカーシステムを、
楽器のごとく鳴らす、ということだと解釈している。

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