Date: 2月 10th, 2012
Cate: ジャーナリズム, 測定
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測定についての雑感(その2)

ステレオサウンドの新製品紹介のページは、
56号以前は井上先生と山中先生がふたりで担当されていた時期が続いていた。
ずっと以前のバックナンバーまで遡ればそれもまた違ってくるのだが、
私が読みはじめたステレオサウンド 41号では井上先生と山中先生、ふたりの担当だった。
それでも少しずつ記事の構成には変化があったものの、
基本的には海外製品を山中先生、国内製品を井上先生となっていた。

記事はすべてモノクロでページ数も32ページ前後。
それが大きく変ったのは、上に書いたように56号からである。
この56号から新製品紹介のページが2本立てになった。
カラーページの「Best Products 話題の新製品を徹底解剖する」と、
モノクロページの「Pick Up 注目の新製品ピックアップ」になり、
井上・山中両氏だけではなく、他の筆者による記事が載るようになった。
いまのステレオサウンドの新製品紹介の原型・始まりともいえるのが56号である。

カラーページのトップを飾っていたのは、56号の表紙でもあったトーレンスのリファレンスだった。
書かれていたのは、瀬川先生。リファレンスに割かれているページ数は8ページ。
読みごたえのある文章だった。何度も読み返したものだった。
当時、リファレンスの価格は358万円。
「近ごろの私はもう、ため息も出ない、という状態だ。」とリファレンスの記事を締めくくられているように、
このころの358万円はそうとうな価格だった。

──こんなふうに書いていくと話は逸れていくばかりなので、元に戻そう。
56号にはモノクロページでロジャースのPM510も、これもまた瀬川先生の文章で載っていた。
だからとということもあって、56号の新製品の記事の変化は、読者としてすごく印象深いものとなっている。

それ以外にも56号には、
瀬川先生によるパラゴンの記事(Big Sound)と組合せの記事(これは連載となる予定だったもの)があり、
さらに黒田先生の「異相の木」も載っている。
38号とともにくり返し読んだ回数の多いステレオサウンドである。

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