Date: 2月 4th, 2012
Cate: Noise Control/Noise Design
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Noise Control/Noise Designという手法(その33)

MC2300と同時代のコントロールアンプとしては、C28とC26がある。
C26は1967年か68年、C28は1970年ごろの発売である。
マッキントッシュは、1970年代後半に、それぞれの後継機としてC29、C27と、最上級機としてC32を出した。

フロントパネルを見ればすぐわかるように、C28の後継機がC29、C26のそれがC27で、
フロントパネルのレイアウトは基本的には同じであるが、見た印象は異るところもある。

C26、C28は古きよきアメリカの製品という印象を、私などは受けて、
それが少々鼻につく感じもする。ほんの少しでいいから、控え目であってほしいと思う。
C29とC27は、アメリカのアンプという感じを持っていても、C28、C26に比べれば、すっきりした印象がある。
パネルレイアウトは同じでもツマミに変更が加えられているため、である。

C26、C28のツマミは管球時代のC22、C20など同じもので、ツマミ全体がシルバーで仕上げられている。
C27、C29のツマミは、C28、C26のツマミと同じくローレットが入れられたものでも、
ツマミの平面部分(円柱の頭頂部)の仕上げが違う。ここのところが光沢のある黒になっている。
たったこれだけのことではあっても、C28(C26)とC29(C27)から受ける印象は、
マッキントッシュのデザイン(アピアランス)にやや拒絶したいものを感じていた私にとっては、
うれしい変更であった。

それにC27の音は、いまでも印象に残っている。
マッキントッシュのコントロールアンプで、欲しい、と思ったのはC27だけである。

C28、C26の傾向とは、C27の音は、なにかマッキントッシュが変った、時代が変ったことを思わせるような、
みずみずしさが魅力となっていた。
マッキントッシュのアンプの音を語るときに、みずみずしい、という表現が自然に出てくるのは、
最近のマッキントッシュのアンプはじっくり聴いていないのでなんともいえないが、
すくなくとも1990年までに登場したものでは、C27だけ、といっていい。

C29、C27に採用されたツマミは、C27のすこし前に登場したC32でも採用されている。
ただC32はフロントパネルに並べられたツマミの多さからもわかるように、
C28、C26の時代にはなかった機能フル装備のアンプで、C27との音の魅力とはやや違うものの、
マッキントッシュのコントロールアンプの新しい世代は、C32から始まっている、といえる。

そのことはマッキントッシュ自身がいちばんよくわかっていたことだから、
そして狙っていたことでもあることだから、ツマミの変更をあえて行ったのだろう。

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