Date: 5月 29th, 2009
Cate: D44000 Paragon, JBL, 岩崎千明
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岩崎千明氏のこと(その13)

岩崎先生は、またパラゴンのことを、「プライベートなスピーカー」とも語られている(ステレオサウンド 38号)。

パラゴンは使いこなしが難しいスピーカーだと思われている方には、意外だろうが、
「大きな音はもちろん、キュートな小さい音」も鳴らせるパラゴンは融通性があり、
アンプによる音の変化も他のスピーカーよりも小さく「たいへん使いやすいスピーカー」であるとまで言われている。

ただ「レコードの音の違いを細密に聴き比べたいといった使い方には、やや不向き」だと思われていたためだろう、
39号のカートリッジ123機種の聴き比べでは、アルテックの620Aを試聴用のメインスピーカーとして使われている。

39号では、岡俊雄、井上卓也、岩崎千明、3氏によるカートリッジの試聴テストが特集で、
井上先生だけステレオサウンドの試聴室で、岡先生と岩崎先生は、それぞれの自宅で試聴されている。

岩崎先生は620AをクワドエイトLM6200Rとマランツの510の組合せで鳴らされ、
さらにステレオ音像のチェック用として、アルテックの12cm口径のフルレンジ405Aを、
自作のエンクロージュアに収められ、
至近距離1mほどのところに設置するというヘッドフォン的な使い方もされている。

これらのシステムは音をチェックするためのシステムであり、
「もっと総合的に、音楽を確かめる」ためにセカンドシステムでの試聴も行われている。
くり返すが、123機種のカートリッジを2つのシステム計3つのスピーカーで聴かれているわけだ。

まずカートリッジの取りつけをチェックしたうえで、トーンアームに試聴カートリッジを着装し、
ゼロバランスをとり適性針圧をかける。それからインサイドフォースキャンセラーも確かめ、
場合によってはラテラルバランスの再調整も必要となる。
そしてトーンアームの高さの調整。最低でも、これだけのことをカートリッジごとに適確に行なっていかなければ、
カートリッジの試聴は、まずできない。

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