Mark Levinsonというブランドの特異性(余談・続×十三 825Ω)
つまりMC型カートリッジをヘッドアンプで受ける場合、入力抵抗による減衰量を極力なくすためには、
カートリッジの内部インピーダンスに対し、数100倍から1000倍程度の入力インピーダンスということになる。
実は、このことは目新しいことではなく、かなり以前から指摘されていたことである。
1969年に出版された「レコードプレーヤ」(山本武夫氏、日本放送出版協会)には、
「ムービングコイル形カートリッジ使用上の注意」として、次のように書かれている。
※
ヘッドアンプを用いる場合には、カートリッジの電気インピーダンスにくらべてアンプの入力インピーダンスがかなり高く、カートリッジが無負荷状態で動作できるものが必要です。ヘッドアンプを使う場合には、インピーダンス関係より、カートリッジの出力電圧が大きくなった場合のひずみに注意すべきです。
※
いまから40年以上前、ML7Lが825Ωを採用する10年以上前に、
すでにMC型カートリッジは、かなり高いインピーダンスで受けるものだと、山本氏は指摘されていた。
入力抵抗でのロスを極力なくすだけでも、ヘッドアンプのSN比は向上する。
微小レベルの信号を扱うヘッドアンプで、何も入力のところで信号を減衰させていい道理はひとつもない。
そういえば、日本では、無線と実験の筆者である金田明彦氏が、やはりMC型カートリッジ、
金田氏の場合は、デンオンのDL103を、560kΩで受けられている。