五味康祐氏のこと(その8)
今日、練馬区役所主催の「五味康祐氏遺愛のオーディオとレコード試聴会」に行ってきた。
午前中に1回、午後3回開催されるほどだから、前回(1月)の試聴会の申込みがいかに多かったのかが、わかる。
年輩の女性同士で来られている方も見かけた。
練馬区役所本庁舎の会議室に、五味先生のタンノイ・オートグラフは設置されている。
部屋に入ると、正面にオートグラフ、
その間に木製ラック、それにEMT930st、マッキントッシュのC22、MC275が収められていた。
五味先生がお使いになっていたラックは、ヤマハ製のものだった。
オートグラフが目にはいった次の瞬間、すぐに探したのは「浄」の書だ。
五味先生のリスニングルームでは、オートグラフに向かって左側の壁、天井近くに飾ってあった。
「浄』は右側の壁に、飾ってあった。
写真で何度も見、目に焼き付けていたつもりだったが、
こうやって、その前に立つと、印象は、ずっと深いものとなる。
たくましく、骨太で、ふしぎな味わいがある。
技巧うんぬんなど、どこ吹く風といったらいいのだろうか。
なぜ、この「浄」なのかが、わかる気がした。
区役所の方の話によると、おそらく中国の石碑からの拓本だろう、とのことだった。