Date: 7月 9th, 2011
Cate: 瀬川冬樹
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確信していること(その10)

瀬川先生は、グルンディッヒのProfessional 2500を聴かれたのは、ステレオサウンド 54号が最初ではない。
その前に、ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’80」で、予算50万円の組合せで、
このグルンディッヒのスピーカーシステムを使われている。
でも、これも最初ではなく、この記事の中にあるように、別の雑誌の企画で聴かれたのが最初である。

その雑誌とは、おそらくレコード芸術のことだろう。
このとき、レコード芸術で瀬川先生は連載で、「音と風土を探る」という記事を2年ほど続けられている。
連載のタイトルからもわかるように、この連載では毎号国別にスピーカーシステムを集めて試聴するというもので、
ドイツ製のスピーカーシステムが集められた回に、グルンディッヒが登場したのだろう。
あいにく、レコード芸術の連載は数号分しか手もとになく、ドイツのスピーカーシステムの号は未読だ。

グルンディッヒは、レコード芸術の取材では、はじめたいして期待もせずに聴いた、とある。
それでも、鳴らすうちにその素晴らしさに驚いて、今度の企画(コンポーネントステレオの世界 ’80)で、
ぜひ聴きなおしてみようと、ノミネートした、と語られている。

ということは、おそらくステレオサウンド 54号のスピーカーの特集に登場しているのも、
瀬川先生の推しがあったからなのかもしれない。

厳密には、54号のグルンディッヒは、Professional 2500で、
「コンポーネントステレオの世界 ’80」のグルンディッヒは、Professional BOX 2500となっている。
単に表記の違いだけのようにも思われるが、写真を見ると基本的には同じスピーカーシステムではあるが、
見た目の印象はずいぶん異る印象を与えるだけの違いが両者にはある。

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