Date: 7月 1st, 2011
Cate: サイズ, 冗長性
Tags:

サイズ考(その71)

オーディオ機器にとっての冗長性は、
音を良くするためのものであり、オーディオ機器としての性能性を高めていくことに関係している。

けれどこういった、オーディオ的な冗長性が性能向上の妨げとなるのが、コンピューターの世界のような気がする。
コンピューターの処理速度を向上させるために、CPUをはじめて周辺回路の動作周波数は高くなる一方。

私が最初に使ったMac(Classic II)のCPUのクロック周波数は16MHz。
いま使っているiMacは3.06GHz。
CPUの構造も大きく変化しているから、単純なクロック周波数の比較だけでは語れないことだが、
もしClassic IIに搭載されていたモトローラ製のCPU、68030の設計のままでは、
いまのクロック周波数は実現できない。
68030ではヒートシンクが取りつけられることはなかったが、
次に登場した68040にはヒートシンクがあたりまえになっていた。

68040はMacに搭載されたかぎりでは、40MHzどまりだった(内部は80MHz動作)。
68030と68040はコプロセッサーを内蔵しているか否かの違いもあり集積度もかなり異る。
そのへんのことをふくめると、厳密な喩えとはいえないことはわかっているが、
68040までは、冗長性を減らすことをあまり考慮せずに最大出力を増やしていったアンプのようにも思える。

コンピューターの世界は、冗長性をそのまま残していては、速度向上は望めない。
CPUの進歩はクロック周波数をあげながらも、消費電力はそれに比例しているわけではない。
冗長性をなくしてきているからこそ、いまの飛躍的な性能向上がある。

電子1個を制御できるようになれば、コンピューターの処理速度はさらに向上する。
そうなったとき冗長性は、コンピューターの世界からはほとんど無くなってしまうのかもしれない。

冗長性を排除していくコンピューターの世界と、
冗長性がまだまだ残り続けているオーディオの世界が、これから先、どう融合していくのか。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]