妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その22)
LS5/1というイギリスのモニタースピーカーを、現代につくる、というに、
アメリカの、それもJBLの、さらにはホーン型ユニットを中高域に使うなんて!、と思う人はいるだろう。
でも感覚的に私の中では、AMT型トゥイーターによるLS5/1型スピーカーシステムよりも、
JBLのLE175DLHを使うほうを実行に移したい、という気持はずっと強い。
LE175DLHは、JBLの数々のスピーカーユニットの中で、見ただけで欲しくなってしまったモノである。
LE175DLHよりも、375に537-500を組み合わせたほうが、もっと堂々として存在感がある。
本格的にJBLのユニットでシステムを構築するのであれば、LE175DLHよりも375+537-500の方が可能性は大きい。
だがLS5/1型スピーカーに使うには大きすぎるし、高域の伸びの不足もある。
それにLE175DLHのほうが、美しい。
それは、途中からホーンが短くなり全体にズングリした印象になる以前の、
スマートだったころのLE175DLHは、スピーカーユニットとしてのデザインの完成度は高いと感じている。
瀬川先生がJBLの3ウェイの自作スピーカーで聴かれているころのリスニングルームの写真に、
ウーファー用のエンクロージュアの上に、LE175DLHが置かれている。
鳴っているのは375+537-500である。
375+537-500を使いながらも、音を聴くときに必ず目にはいってくるところに、
それまで使われていたLE175DLHを置かれていること、
そしてステレオサウンド別冊「HIGH-TECHIC SERIES-1」に載っていた瀬川先生の4ウェイの構想。
フルレンジを使うミッドバス、トゥイーターには、それぞれ14機種、推奨ユニットをあげられている。
にもかかわらず、ミッドハイは最初からLE175DLHのご指名である。