LNP2について(その1)
マークレビンソンのLNP2のモジュールLD2の回路構成はどうなっているのか。
ジョン・カールにインタビューした時に聞いておけばよかった、と後悔しているが、
取材の目的はヴェンデッタリサーチについてだったので、仕方なかった。
私が持っているジョン・カールが設計したアンプの回路図は、
マークレビンソンのJC2、JC3、ディネッセンのJC80、
あとは自分で実物をみながら回路図をおこしたヴェンデッタリサーチのSCP1だけである。
このなかで、LNP2の回路を推測する上で、重要なのはJC2以外にないだろう。
LNP2はフォノアンプ、インプットアンプ、
アウトプットアンプのすべてに共通のモジュールLD2が使われているのに対し、
JC2は、フォノアンプとラインアンプは、モジュールの大きさも異るし、当然回路構成も大きく違う。
JC2のラインアンプは、初段のみ差動増幅の上下対称回路(2段増幅)、
JC3の電圧増幅部とほぼ同じといってよい。
フォノアンプは、上下対称回路ではなく、2段差動増幅回路になっている。
初段の差動回路の共通ソースには定電流回路が設けられ、
2段目の差動回路はカレントミラー負荷になっている。
出力段はFETによるプッシュプル回路で、しかもパラレル仕様である。
使用トランジスター数は、ラインアンプが6石(内FET4石)、フォノアンプは11石(内FET7石)となっている。