Date: 5月 8th, 2011
Cate: KEF, LS5/1A
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妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その17)

LS5/1では、なぜトゥイーターを直接フロントバッフルに取りつけなかったのか、
その理由はHF1300を2本使っていることと関係している。
つまりできるかぎり2つのHF1300を接近させて配置するため、である。

HF1300をそのままとりつけると、当然取付用のためのフレーム(フランジ)の径の分だけ、
HF1300の振動板の距離はひらくため、これをさけるためにLS5/1では、HF1300のフランジを取りさっている。
だから、そのままではバッフルには取りつけられない。

以前のJBLのトゥイーターの075、2405も初期の製品ではフランジがなかった。
そのため4350の初期のモデル(ウーファー白いタイプの2230)では、2405のまわりに、
いわゆる馬蹄型の金属の取付金具が目につく。

4350のすぐあとに発表された4341では、075にも2405にもフランジがつくようになっており、
バッフルにそのままとりつけられている。
4350もウーファーが2231に変更された4350Aからは、2405のまわりに馬蹄型の金具はない。

LS5/1の、トゥイーター部分の鉄板は、このフランジがわりでもある。
おそらくHF1300からの漏れ磁束を利用して鉄板を吸い付けていると思われる。
もちろんこれだけでは強度が不足するので、コの字の両端をすこし直角に曲げ加工した金属を使って、
HF1300を裏から保持している。

つまりLS5/1のトゥイーターは、2本のHF1300をひとつのトゥイーターとして見做している、といえる面がある。
しかもそれは現実には1つのユニットでは実現不可能な、振動板の面積的には、この部分は2ウェイいえる。
ウーファーとのクロスオーバー周波数の1.75kHzから3kHzまではふたつのHF1300は、同条件で鳴り、
振動板の面積は2倍だが、3lHz以上では上側のHF1300はロールオフしていくから、
振動板の面積的には疑似的に下側のHF1300の振動板の面積にしだいに近づいていく。

LS5/1全体としては、振動板の面積でとらえれば3ウェイという見方もできなくはない。

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