情景(その15)
ステレオサウンド 130号、勝見洋一氏の連載「硝子の視た音」の最後に、こうある。
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そしてフェリーニ氏は最後に言った。
「記憶のような物語、記憶のような光景、記憶のような音しか映画は必要としていないんだよ。本当だぜ、信じろよ」
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これまでに三度引用している。
また引用したのは、心に近い音、耳に近い音についてこれまで書いてきているが、
このフェリーニのことばも、心に近い音をあらわしていると思ったからだ。
耳に近い音は、記録のような音、
心に近い音は、記憶のような音。