エラック 4PI PLUS.2のこと(その2)
日本製の非常に高価なリボン型トゥイーターといえば、
オーディオマニアの方ならば、あそこね、とすぐに思い浮ぶだろう。
なのに、あえて、このブランド名を書かないのは、
あることを、あるオーディオ評論家から聞いたからである。
それがどんなことかもぼかすしかないが、
この時代、いまだそんなことをやるオーディオメーカーがあるのか、
しかもこんな高価なモデルを出しているところが──と、
呆れもしたし、怒りもおぼえた。
ここのリボン型トゥイーターは聴いている。
その実力の高さは感じている。
だから、そんな姑息なことをしなければいいのに──、と思ったりするのだが、
そういうことをやってしまうところに、このリボン型トゥイーターに携わっている人たちの、
性根の腐ったようなところ、さもしさを感じてしまい、
それ以上、関心をもつことはなくなった。
ピラミッドのT1を超えるリボン型トゥイーターは、もう世に出ないのか。
そんなところに登場したのが、エラックの4PIだった。
単に優れたリボン型トゥイーターというだけでなく、
水平方向に無指向性のリボン型トゥイーターである。
少なくとも、私の知る限りエラックのリボン型と同じ構造のモノはなかったはずだ。
エラックのリボン型トゥイーターは、菅野先生のリスニングルーム以外でも聴いている。
決して安いトゥイーターではないけれど、非常に高価なわけでもない。
いい製品だと、素直に褒めたくなる。
タンノイのコーネッタのレンジに特に不満はないけれど、
それでもワイドレンジを目指したい、という気持がつねにある私にとって、
コーネッタの高域をあと少しのばすのであれば、エラックだな、と思っていた。
コーネッタの上に、ということだけでなく、
まだ鳴らさずにいるアルテックの604-8Gに関してもそうだ。
6041のような604-8Gを中心とした4ウェイを構築するのであれば、
トゥイーターはやはりエラックである。
エラックのリボン型トゥイーターは、
ジャーマン・フィジックスのDDD型ユニットを手に入れるかどうかには関係なく、
手に入れたい、と考えていた。