五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その1)
別項「ラックス MQ60がやって来た」で書いているように、
50CA10の自作シングルアンプも一緒にやって来た。
電圧増幅管は6AQ8である。
まだ中は見てないのではっきりしたことはいえないが、
オーソドックスな回路構成であろう。
シングルアンプだから、MQ60よりも使用真空管は少ない。
けれど自作ということもあって、シャーシーのサイズはMQ60よりも大きい。
もっと小さく、ぎゅっとした感じにまとめなおしたい、
そんなことを入浴中におもっていた。
使われているタンゴのトランス類はそのまま流用して、
どこまで小さくできるか、とともに、どこまで回路を切り詰めていけるのか。
50CA10の単段シングルアンプに仕上げてみるのもおもしろいじゃないか。
ふとそう思いついた。
単段アンプは、1980年前後に、池田圭氏がラジオ技術に何度か発表されている。
これ以上、部品を削ることができないまでの回路構成である。
ラジオ技術では、他の筆者による単段アンプの製作記事も載った。
そのいずれも入力トランスを必要としていた。
けれど出力レベルの高いコントロールアンプがあれば、入力トランスも省ける。
この入力トランスは汎用のモノではなく、タンゴの特註品が多かったと記憶している。
入力トランスがなければ、さらにアンプのサイズを小さくできるし、
コスト面に関しても、出費が少なくて済む。
私の手元には、GASのTHAEDRAがある。
ラックスにはMQ60を無帰還アンプとしたMQ60Cがあった。
ということは50CA10単段アンプも無帰還でいける。
THAEDRAはもともと8Ω負荷で約3Wの出力を持つ。
50CA10の単段アンプの出力は、自己バイアスにするつもりだから5.5Wほどで、
THAEDRAの出力の二倍弱。
それでパワーアンプと呼べるのか、となると、むしろブースターアンプという感覚である。
手頃なシャーシーが見つかれば、すぐにも完成できそうな回路である。