シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(パワーアンプは真空管で・その15)
グリッドチョーク的ケーブルを、
2020年のaudio wednesdayで何度か試して好結果を得ている。
なぜ、こんなに音が変ってくるのか。
その理由について考えていて、
ふと直列式ネットワークもそうなのかも──、と気づいた。
audio wednesdayを行っていた四谷三丁目にあった喫茶茶会記は、
いまは長野県茅野市に移転している。
喫茶茶会記のスピーカーはアルテックのユニットを中心とした自作スピーカーで、
最初のころは、12dB/oct.の市販のネットワークだった。
市販のだから、一般的な並列式ネットワークである。
それをある時期から、何回かの実験を経て、
6dB/oct.の直列式ネットワークに変更した。
直列式と並列式、
その優劣をはっきりさせたいわけではなく、それぞれに長所短所があり、
私が試した範囲では、6dB/oct.のゆるやか遮断特性で、
2ウェイ構成であるならば、直列式のメリットはより活きてくるように感じている。
直列式はスピーカーユニットを直列に接続するところからきている。
ウーファーはトゥイーターを直列に接続し、
ウーファーに対してコンデンサーを、トゥイーターに対してコイルを並列に接続する。
これがどういうことなのかを別の視点から説明すれば、
仮にパワーアンプが故障して、その出力にDC(直流)があらわれた場合、
一般的な並列式のネットワークのスピーカーであれば、
ウーファーは直流がそのまま流れてしまい故障してしまうが、
トゥイーター、スコーカーはコンデンサーによって、直流はカットされる。
直列式のネットワークだと、
ウーファー、トゥイーターといったユニットは直列接続されているのだから、
どちらも直流がコンデンサーでカットされることなく流れ込むことになる。